自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第660回
安いコースの方がお勧めか、龍吟 1

師匠である小山氏率いる青柳グループに勢いがないのは、
有力な弟子たちがどんどん独立してしまったこととも
関係あるかもしれません。
東京での旗艦店の位置づけだった
今はなき「日本料理 小山」の料理長を任されていた、
山本氏が一昨年末にオープンさせた今評判の日本料理店です。
明治屋の裏辺りでしょうか、
六本木トンネル脇の路地を入った1階です。
ネーミングからして日本料理に思えないのですが、
それは店の造りも同じ。
赤い壁に店名が記してあるものの、入り口はわかりにくく、
やっと探し当てた引き戸をあけると細長いアプローチを右折して、
はじめてホールにたどり着きます。
スタッフは待機していないので、
気の弱い客ならば引き返してしまうかもしれません。

ホールは衝立で簡単に仕切られた円卓が3つと、
カウンターが6席くらいに個室が用意されているようですが、
なにやら中華の店に来たかと思ってしまう内装です。
着席して、どうせ師匠と同じく高いだろうと
手渡されたワインリストを見てびっくり。
ノンヴィンのシャンパーニュが6800円とかなり安めの値付けで、
クリュッグという高級物も1万8千円とまずまず。
ワインは5、6千円から3万円くらいまで幅広く用意されており、
ブルゴーニュはやや高めですが、
ボルドーは80年代でもリーズナブルな価格のものがあり、
小売の1.5倍前後とかなり良心的なリストでありました。
酒類では儲けない方針だとのこと、
師匠も見習って欲しい潔さであります。

料理は1万5千円、2万円の完全コース制。
夜半は単品料理を出すようですが、
1品3〜5千円とかなり単価は高いようです。
1次会から流れてきて1品摘んで飲んで帰る場合でなければ、
コースを頼むことをお勧めします。
少人数ならこの店はカウンターがいいでしょう。
主人はカウンター客用に
刺身や鍋の盛り付けを見せるパフォーマンスをしていますが、
ホール客用の料理は奥の厨房から直接運ばれてくるからです。

<明日に続く>


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2005年5月31日(火)

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