自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第654回
あの店は今・・・ 兼定 2

まずこの店でウリである鯵の押し寿司から始まりました。
4貫目くらいにも鯖の棒寿司と、
江戸前とは違う変化球がでてきますが、
これは誰しも旨いというであろう寿司で、ぜひ試していただきたい。
カワハギや塩辛、ヒラメの皮、鮪の筋なども握ってくるので、
これが真の江戸前かどうか、
少なくとも「次郎」のタネとはかなり違っていますが、
種類は豊富です。

シャリは硬めで酢は強くなく握りは小振りで丸め。
この辺に好き嫌いがでるかもしれませんが、
鯖や鯵など青魚の〆が浅いのでシャリとの相性は良いと考えます。
今回初めて気がつきましたが、
お酒を飲まない客にはツマミの種類が少ないようです。
その分握りを多くしているのでしょう。
「串の坊」の串揚げのように、
ストップしないといつまでも握り続ける主人。
私はすべてを食べつくした事はありませんが、
次々と違った握りを出してくるのですから食べ過ぎてしまいます。

食べ始めてから2時間半、
かなり飲んでお腹一杯になって
一人2万数千円とこの手の店ではかなり安い。
以前は2万円前後でしたから、
多少値上がったような気がしますが、時間単価は次郎の1/3以下。
食後の満足感も上々で、何の緊張感もない店内。
30代主人の新進気鋭の鮨屋や老舗も含めて、
私はこの店が現在東京で一番のお勧めです。

PS
友里征耶ウォッチをしていただいている件のブログの主宰者は、
友里が兼定を一押ししていところから、
「友里征耶は酒好きのツマミ主体の鮨屋好きでネタ志向」
と判断されています。
しかし、弁解させていただくと、
水谷や次郎で握りだけでお酒もちょっと
(単に高くなるから避けているだけ)という食べ方もしています。
江戸前は、シャリとタネのバランスだとも思っています。

<結論>
煮切りやツメを塗っているが、
純粋の江戸前とは言えないかもしれません。
オタクやマニア、
そして小野二郎さんに認められるかどうかは別にして、
誰でもタネの質の良さ、仕事の丁寧さ、
そして肝心のツマミや握りのおいしさが理解しやすい店と考えます。
これ以上混むとますます予約が入れにくいですが、
友里一押し鮨屋であります。


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2005年5月25日(水)

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