| 第651回ワインの諸々 その57
 本場ではワインの消費が落ちているらしい
 
 「専門料理」という雑誌の5月号の巻末の方に、フランスのワイン消費が
 かなり落ちてきているといった記事が載っていました。
 10人中8人の成人が1週間に1本以上のワインを飲み、
 そのうちの80%は赤ワインで
 またその46%はボルドーを選ぶとのこと。
 一見してワイン大国だと思えるのですが、
 国内のワイン消費量は過去35年間で40%も低下し、
 その傾向は未だ止まらないようです。
 日本では無理に和食や鮨に合わせようといった動きで、フレンチやイタリアンだけではなく、
 ほとんどすべての飲食店にワインが普及してしまった現状から、
 ワインの消費は伸びていると感じていたのですが、
 本場ではそうとう深刻な状態のようです。
 鮨屋や居酒屋でもワインは無理があると思っていたのですが、
 今話題の「サダハル アオキ」では
 何とスイーツにシャンパーニュを合わせる提案をしていたのには
 驚きました。
 勿論チャレンジ精神旺盛な友里は早速試したのですが、
 まったく合わなかったですね。
 フランスの最大ワイン産地であるラングドック地方、ここは主にテーブルワイン(フランス人が主に消費するワイン
 例外はありますが)で有名ですが、
 生産者の経営がかなり厳しく、生産畑も減少の一途。
 ボルドーでさえ、一部の有名・大手を除いて、中小の生産者たちは、
 ネゴシアンや流通業者に頼っていられず、
 自ら販売・営業に乗り出しているそうです。
 畑に居る時間より、PCに向かっている時間、
 営業で遠方へ出かけている時間の方が長い
 といった現象も見られるとか。
 どこの国も健康ブームなのでしょうか。飲みすぎは体に悪いといった風潮が
 浸透してきているのも要因でしょう。
 日本でも、レストランでワインをほとんど飲んでいない客層が
 結構目立つようになりました。
 ヘルシー志向がより強まる中、飲食店やマスコミがワインだ、焼酎だ、
 とブームになるよう煽っているようですが、
 パイはそんなに広がっていないのではないかと考えなおしました。
 ウイスキー(ブレンド)のCMは最近すっかり見なくなりました。
 焼酎に押されて日本酒も苦戦しているかと思いますが、
 なかでも地酒ではない大手のメーカーはどうなのか、
 やはりTVのCMではまったく最近見かけません。
 ワインブームが終わり、焼酎ブームも終わってしまうと、次に消費を伸ばす酒類があるのでしょうか。
 代議士や役者などで最近は酒の上での不祥事が目立ちました。
 少なくとも、今年に入って2名は
 お酒を今後も飲まなくなってしまった計算です。
 まだまだワインが浸透しているとはいえない日本でも、需要が今後そう広がるとは思えません。
 和食や鮨の場合を除いてワインを1日に1本は飲む友里は
 結構ワイン業界に貢献しているなと感じた次第です。
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