第616回
ワインの諸々 その54
貰って嬉しかったワイングッズ
今回は一番便利というか助かったワイングッズの話です。
お祝い品として、知人たちから贈られたものでして、
正式名称はわからないのですが、
簡単にいうと「デカンタ立て」です。
物は非常にシンプル。
30センチほどの木の棒を立てた、鋳物かなにかの置物です。
最初は何かと思ったのですが、
飾り模様をつけた鋳物の土台には水溜めがあり、
そこから木の棒が立ててあります。
そうです、
洗ったデカンタを逆さにして
棒を中に通して立てておくグッズなのです。
以前は家でも面倒がらずに
ワインはよくデカンタージュして飲んでおりました。
若めのワインを開かせてから飲みたい時や、
ある海外のワイン商が言っていたのですが、
ワインはデカンタすればするほどおいしくなる
という言葉を真に受け、
2つのデカンタで何回も移し変えてから
飲んでいたときもありました。
勿論10回ちかくデカンタしたワインは
デイリーの安めのワインではありましたが。
使うのはいいのですが、
その後がグラス以上に大変なのがデカンタです。
中まで手が入りませんからうまく洗うのが大変です。
赤ワインを多用した場合、
デカンタ内底に赤い濁りが残ることがあるのですが、
それは岩塩と酢を少々いれることによって脱色できます。
問題はデカンタをうまく乾かすことができるかどうかです。
中の水分を出すために逆さまにしなければなりませんが、
安定も悪く家庭内では場所もありません。
店では区分けした傘立てなどに立てるということを聞きましたが
家では斜めに壁などに立てかけていたのです。
しかしこのワイングッズの登場でデカンタ洗浄は楽になりました。
重しとなる土台も安定しており、棒の長さも充分なので、
バカラやリーデルの大型デカンタも逆さまに建てられます。
ただし、木の棒先が直接デカンタ内面に触れると
変色や匂いがつく恐れがあるので、
私は棒の先にラップをまいております。
おかげで、デカンタが倒れて割れる心配もなく
安心して使用、洗浄することができるようになったのですが、
最近は不精になったのでしょうか、
若いワインでもデカンタしなくなったので、
このグッズの出番はなくなってきております。
最近のワインの造りが、
早飲みで飲みやすくなってきたせいもあると考えます。
正式名称はわかりませんが、いただいた包装紙は
新宿の「I」デパートのものでした。
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