| 第590回この支払額でも納得か、高台寺 和久傳 1
 
 久々に訪れた京都で楽しみにしていたのが「和久傳グループ」の本山である高台寺店への訪問でした。
 あの「幸村」の主人がいたディフュージョン版である
 「室町 和久傳」の1万5千円超の料理、
 庶民的でクイーンアリス化している
 「京都 和久傳」の8千円料理と、どちらも疑問であった私は、
 ネットなどで絶賛のこの本店で
 夜の2万5千円コースに挑戦したのです。
 京都駅からタクシーで1千円チョイと結構近い立地。付近は同じような料亭や旅館が多く風情があって、
 「正に京都だね」と感じさせてくれます。
 通された座敷は華美ではありませんが、落ち着くもの。
 さすが京都の高級料亭だと感じたのですが、
 その後、見てはいけないものが目に入ってしまいました。
 窓下の壁紙が剥がれていたのです。
 これほどの高額請求する店にしては脇が甘い。
 これから、京都有数の高級京料理を食べられるという高揚感が
 若干萎えてしまった瞬間です。
 この店の特徴は初っ端に「造り」が出てくると言う事前情報の通り、
 最初に供されたのは「カワハギ 肝付」(11月時)。
 鯛が出てくるのではと読んでいましたが、
 この時期旬であるカワハギは、
 厚めに切られ刻みネギがかかっていましたが、
 ネギが必要ないほど旨みがありました。確かにおいしい物。
 また、懐石料理の華であるお椀のタネはこの時期定番のグジと玉子豆腐。
 カツオを使っていない出汁だと思うのですが、
 淡いながらかなりの余韻が続きました。
 <明日に続く> |