| 第512回東京の客を舐めるな、よねむら 2
 
 フォアグラも昼夜の定番なのでしょうが、質が良くなく味わいを感じません。
 ランチではフレンチトースト風の生麩に乗っている奇抜なもの、
 夜はフォアグラ大根でした。
 10年以上前、ワインを出す和食屋の定番だった
 「大根とフォアグラ」の組合せにびっくりです。
 埋没してしまった「小田島」などで毎回でていましたが、
 もう絶滅した料理だと思っておりました。
 鮑とマツタケのグラタンもミーハー受けしますが質が悪いのか味や香りがしません。
 的矢の牡蠣にかかっていたトリュフ、秋トリュフなのでしょう、
 香りがまったくしませんでした。なくても同じです。
 専門の男性が造っていたサラダ。
 切り置いたパック入りの生ハムは、
 街場のイタリアンというかパスタ屋で使うもの。
 その生ハムとリンゴのサラダに合わせたヒラメは
 ベチャベチャでした。
 夜は更にウニやカラスミまで質を問わない、いわゆる「高級食材」がこれでもかと出てきますが、
 どれもアイテムだけで質を考えないのが
 この店の営業方針の悲しいところです。
 本物志向の客には何一つ満足感を与えないでしょう。
 ワインリストもヴィンテージが記してありません。京都の客は、ワインの生産年にまったく感心がないのでしょうか。
 東京の高額店ではありえないことです。
 モエ エ シャンドンの
 大量生産ノンヴィンのシャンパーニュがなんと1万2千円。
 仕入れの4倍近いでしょう。
 一般客が小売で購入しても、倍以上の利益が出てしまいます。
 東京では、最近は高額フレンチでも
 1万円を軽く切っている店が多いですから、
 調査不足なのでしょう。
 白、赤ワインも恐ろしく高く、
 やっと見つけた5千円や7千円のワインはボジョレーものでした。
 それ以外はすべて1万円を超えていると考えてもいいでしょう。
 この常識はずれな値付けをみると、
 米村氏は拙著を読んでいなのでしょうね。
 よって、ボジョレーでない安いワインで我慢したとしても、
 普通に飲めば夜には一人2万5千円を超えてしまいます。
 <結論>京都の店でもこのワインリストなのだろうか。
 ド素人にしか通用しない表示と値付け。
 料理も名ばかりの高級食材が次々でてきますが、
 まったく質感がない、ミーハー初心者向けの似非フレンチです。
 ワイン通、食通にはまったく向いておりません。
 この店が雰囲気や内装ではなく、
 料理そのもので評価されていると言うならば
 京都のフレンチ、イタリアン業界は
 かなりの低レベルと言えるでしょう。
 地方のお山の大将が、東京の食通をなめてはいけません。
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