自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第504回
久々に納得の店、すし泉 その1

前から何の店だろうかと不思議に思っていた、
南青山、ピーコック近くの鮨屋です。
傾斜地にある古いビルなので、
通りからは半地下に位置するこの店は、
外観からは鮨屋に見えません。

元は「スパゲッティ ファクトリー」という
有名なパスタ屋だったところを改装したからか、
モダンに仕上げたつもりの内装ですが、
結構普請が安く見えてしまうところが残念です。
特に、カウンターの右端と壁の接合部は崩れていましたし、
天井のエアコン噴出しも場所の設定が悪いのか、
直接冷気が客に当たるのを避けるため、
変なカバーがしてありチープ感が漂っています。
粋な造りを狙っている割に、肝心なところが抜けているようです。
白木のカウンターもやや幅が狭く感じられ、
中央に小さなショーケースがあるのも中途半端。
今風にするならば、ショーケースをなくして、
ネタ箱に統一すべきで、今ひとつ、高級感が伝わってきません。

30歳そこそこに見える主人と2番手がつけ場に立ち、
他のスタッフも若い体育会系の雰囲気の明るい店です。
カウンターは8席、テーブルは3卓と
規模の割にスタッフ数は充分です。

お任せで入っても、
酒飲みには充分満足するツマミ類から始まります。
主人が北海道と繋がりがあるのか、
その地の食材も用意されていて、ツマミは切り身だけではなく、
飽きが来ないのでお酒がすすむことでしょう。

白身の肝合えなど食材の質が判断しにくいものもありましたが、
酒で蒸した鮑は、肝も含めてよかったし、
カツオは同じ時期では次郎をかなり上回っていたと感じました。
最初の訪問はあの六本木の「鮨 なかむら」の翌週だったので、
その比較から過大評価してしまうと懸念して
再訪を繰り返しましたが、
タネのレベルは安定していて上の部類と推測します。

<明日に続く>


←前回記事へ

2004年12月13日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ