第501回
この冬オープン前から注目の2店について
あまり元気のない東京フレンチ業界ですが、
この冬は久々に明るい話題を提供してくれそうです。
基、この友里にネタを提供してくれる
といいなおした方がいいでしょうか。
まずはシャネルビル。
このコラムが出る頃は既にオープンしているはずですが、
シャネルとあの厨房に立たないレシピの使い手、
アラン・デュカスのコラボの
「ベージュ TOKYO」が一番の話題です。
3つ星(雑誌によっては各店についた星を全部足して
表現している場合もある)シェフが
シャネルと共同出資してシャネルビルに出してきたフレンチは、
100席前後のかなりの大箱店であります。
11/5の10時に予約開始となりましたが、
知人にききましたら
しばらく予約の電話が繋がらなかったほど盛況だったとか。
夜は1万7千円、2万2千円の2コース制と高額ではありますが、
予想の範囲内の値付けです。
紹介サイトによりますと、
シェフは舞浜にあった「スプーン」の元シェフだとのこと。
ちょっと待ってください。
やはり当時、
デュカスがイクスピアリに店を出したと評判になりましたが、
あの場所とコンセプトが一致しなかったのか
直ぐに閉店したのはまだ記憶に新しいこと。
そのシェフをまた登用してくるのですから、
デュカスはチャンスを何回も与える温かい人なのか、
東京の客を舐めているのか、答えはもうすぐ出ることでしょう。
もう一店はピザーラの経営会社、
「フォーシーズ」が経営することになった
恵比寿の「ジョエル ロブション」。
建物はそのままなので、
7月末の閉店からすぐ再開すると思ったのですが、
かなり時間を要しての12月中旬オープンです。
この店は驚くべき変身を遂げようとしているようです。
メインダイニングである2階でのディナーは、
なんと一人3万5千円オンリーとのこと。
あまりの破格の値付けを知人から聞いて、
私は凍てついてしまいました。
何でも20皿でてくるそうです。
「エル ブジ」までとはいきませんがかなりの多皿。
でもちょっと待ってください。
ロブションは
今までこのようなスタイルのフレンチの経験があるのでしょうか。
再オープンに4ヶ月以上要したのは、
この多皿の料理のレシピを
必死に考えていたからではと思ってしまうのです。
今までの「タイユバン ロブション」とはまったく異なる料理形態。
パリの「ジャマン」時代ともまったく異なります。
彼はフォーシーズと組むようになってから
芸風がかなり変わってしまいましたが、
私が予想したとおり、経営会社によって
まったく違った店になることが証明されたのではないでしょうか。
それにしても3万5千円。
サービス料は不含でしょうから、
ワイン代(これも値付けが高そう)を入れると
一人6万円前後になってしまいそうです。
3つ星の「エル ブジ」でも145ユーロくらい。
邦貨にして、2万円を切っています。
こんな店に行く人が居るのでしょうか。
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