| 第476回料理以前に問題がある、ナルカミ 1
 
 一時期多くの雑誌で注目のフレンチとして取り上げられていた
 「レストラン ナルカミ」は、
 銀座の「福臨門」近くの小さなビルの地下にあります。
 狭い階段を降りていくと
 入り口付近になんと盛り塩がしてあります。
 高額洋食系の店では珍しい光景です。
 店内も赤と黒を使った異様な配色が目立ち、ホールにはなぜか衝立まであります。
 カウンターが4席に
 テーブルが10卓くらいの20数名のキャパで、
 地下の閉塞感を和らげようとしているのでしょうが、
 派手なこの配色は落ち着くものではありません。
 和風の位置皿もなんですが、
 カトラリーにいたってはオーナーのセンスを疑ってしまいます。
 波うった形状の非常に使いにくいもので、
 これを用いることによって客に何を提供したいのか、
 何を訴えたいのか、単なる奇を衒うことだけの為ならば
 内装といい本末転倒と考えます。
 着席すると先にアミューズがでてきてからメニューが渡されます。コースは8千円と1万2千円とかなり強気の値付、
 では単品はどうかというと前菜が3500円前後、
 魚や肉類も4500円前後と
 これまたこの規模としては高めの設定です。
 コースの内容は単品と重なるようですから、
 デセールやテを頼むかどうかで
 コース、単品どちらを選んでもその差はないと考えます。
 ワインは高い。グラスシャンパーニュはヴィンテージがあるといっても
 ヴーヴクリコの普及版が1700円。
 小売でも1本1万円を軽く下回りますからかなりの値付けですが、
 気が抜けていましたから前夜以前の抜栓だったのでしょう。
 リストのワインも種類は少なく、
 小売の倍はつけているでしょうか。
 DRCやペトリュスといった
 10万円前後のワインを置いてあるのに、
 1万円以下のものが少ないのはいかがなものか。
 そんな高額ワインを飲むような店ではないと思うのです。
 <明日へ続く> |