| 第473回禁煙席の設定の仕方で店の姿勢や客層がわかる
 
 訪れる料理店が禁煙なのか、喫煙者にも寛容なのか、なかなかその情報が手に入らないことがあります。
 鮨屋やフレンチなどで
 全店禁煙にする英断を下す店も出てきたようですが、
 まだまだ多くはありません。
 そんな中で、交詢ビルのフロアガイドは全飲食店が、喫煙可か禁煙かの情報を載せています。
 ざっと見てみてタイプは3つ。
 全席禁煙、全席喫煙可、
 そしてこれが一番一般的ですが、禁煙席あり、というものです。
 全席禁煙は鮨の「逸喜優」、豚カツ「かつぜん」。「オストラル」も入り口付近に喫煙所ありとのことで、
 ホールは全席禁煙なのでしょう。
 鮨屋やワインには煙はまったく邪魔なだけで必要ありません。
 おそらく主人やマダムも喫煙者ではないと判断します。
 来店する客層も喫煙者が少ないのでしょう。
 反対に全席喫煙可、つまり禁煙ゾーンがない店は、「趙楊」、「八た」、「かいか」、「たらふくまんま」の4店。
 「趙楊」の主人は客前でも堂々と吸っていますから、
 これは予想できました。
 しかし、九州から「あら」など
 新鮮な食材を空輸していると言っている店が、
 食材の味わいを悪くするタバコに寛容ということは、
 常連客も居酒屋並に喫煙者が多いということでしょうか。
 京料理の「八た」も全席喫煙可ですが、
 客から文句が出ないのでしょうか。
 和食に煙は大敵だと思うのですが、
 そのような事を気にしない、寛容な客が多いということですから、
 店の料理も期待できないのではと
 ついつい思ってしまいます。
 鉄板焼きの「かいか」は集客に特に苦労していて、
 スタッフが羨ましそうに「六覺燈」のマダムに
 入店している客層の話を聞いていました。
 「かいか」の高い値付けと喫煙可は、
 おそらく銀座の接待客や同伴客を狙ったのでしょうが、
 今のところ不発です。
 再開発ビルなど最近の店では、禁煙ゾーンを取り入れているのが一般的です。
 そこへわざわざ逆行するかの全席喫煙可という方針は、
 わざわざ外部に自分の常連客のレベルを
 ネガティヴに開陳してしまっていると考えます。
 店にとって有利に働くとは思えません。
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