第454回
ワインの諸々 その34
ビオワインについて
「ビオワイン」という言葉を聞いたことのある方は
多いと思います。
しかし、それは一体どんなワインなのでしょうか。
私はここ数年、ワイン関係の本をほとんど読んでいませんので、
最近のワイン事情にはまったく疎く、
しかも若過ぎるワインはデイリーでしか飲まないので
興味がありませんでした。
よって、「ビオワイン」とはせいぜい「有機栽培」のワインかな、
確かアルザス地方では、
月の満ち欠けをみて収穫などを決定する
カルト的な造り手もいたな、
くらいにしか考えていませんでした。
食の安全に対する感心が高まったのか、
最近は「スローフード」なるものが人気です。
自然に近い本物志向ということですが、
対極にある「ファーストフード店」が
「スローフード」を取り入れようとしている姿は
なにか滑稽な感じがします。
ビオワインも体によい?翌日に残らないワインといわれています。
じゃ、普通のワインは体に悪い?
私は普通のワインでも翌日に残らない、と
色々疑問があったのですが、10/15号の「ブルータス」で
詳しく説明が載っておりやっと理解しました。
自然派といわれるワインには、
減農薬農法と有機農法の二つにわかれるそうです。
そして後者の有機栽培農法がいわゆる「ビオワイン」でして、
更に「ビオロジック」と「ビオディナミック」に分類されるとか。
この2つの大きな違いは、
後者である「ビオディナミック」は有機栽培農法に加えて、
プレパラートという、
牛の角に牛糞を詰めて撒いたり水晶を使ったり、
そして天体の動きを記したビオカレンダーなるものを見ながら
農作業をするようなのです。
かなりカルトチックなものですが、
ブルゴーニュでも大御所というか
高価格制度をとっているルロアもこの手法をとっているというので、
侮るわけにはいかないかもしれません。
しかしこれはあくまでブドウ栽培の過程であって、
醸造法まで拘っているわけではありません。
以前、フードライターの大谷浩己氏が
二酸化硫黄を添加していないワインが優れているように
読者に受け取れるコメントをしているのを読んで、
突っ込んだ事があります。
やはり、ビオワインといえども、
二酸化硫黄を添加している造り手も多いということですが、
このビオディナミック農法の教祖といわれている人のコメントには
注目です。
「ビオディナミック農法で造られたワインはおいしいとは限らない。
しかし本物であることは保証できる」
要は、自然派ワインでも、偉大なワインもあるでしょうし、
天然酵母に拘り二酸化硫黄を添加しないがために、
年数が経つとドブ板臭のするワインもある。
二酸化硫黄を添加している
ビオワインの造り手は結構居るということです。
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