自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第430回
大箱にして正解だったか、分とく山 2

料理は前店と同じく1万5千円コースのみ。
ノンヴィンのシャンパーニュが9千円を超えると言う
高い値付けにはびっくりです。

ここは1階のカウンター(2階もカウンターはある)が
いいでしょう。
前店と違って、野崎氏をはじめスタッフが、奥の厨房ではなく、
つけ場内の調理器具を使って料理を仕上げているのが見えます。
以前は、厨房から仕上がった料理がでてくる、
いわゆる「弁当料理」のようなものでしたから、
これは進歩しました。野崎さんも店に常駐しているようです。

しかし、敢えて友里に言わしていただくと、
もうこの店の使命は終わったのではないでしょうか。
銀座の一等地でも、
1万円、1万5千円コースをウリにする和食店が人気です。
なかには過大評価と思われる店も多いのですが、
この店よりは価格が安いことを考えると未だましな感じがします。
内容が良い印象をもっている、
1万3千円の「小十」、1万5千円の「と村」を基準にしますと、
この「分とく山」の内容は、
初心者向け、和食入門といったところと感じます。

高級な「昆布」や「鰹節」を客に見せ、
味見させるパフォーマンスもありますが、
どうすれば、説明された高級食材を使って
あのように余韻のでない出汁が出来るのか、
不思議がる同伴者の意見に私も賛成です。


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2004年9月30日(木)

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