| 第421回隠れ家的なわりにまとも、鮨処 小笹 1
 
 初訪問の客は店がどこにあるか迷うでしょうし、たとえ見つけたとしてもあの入り口では入りづらいでしょう。
 業界人が喜ぶ、いわゆる隠れ家的な鮨屋です。
 この奥に本当に鮨屋があるのだろうか、
 私も初回は突入を躊躇しました。
 旧山手通り脇の、民家の駐車場を跨いだ先に
 目立たない入り口があります。
 傍から見ると不法侵入と間違えられる可能性があるのです。
 店内は10席ほどのカウンターに簡単な個室が一つ。入り口付近の怪しさとはうって変わって、
 店内は清潔で明るい。
 ショーケースはなく、
 ネタ箱式というのも最近の鮨屋のお約束です。
 主人は世田谷の老舗、「小笹寿し」の出身と聞いています。これは確認したものではなく噂なのですが、
 修業期間が短かったので「寿し」の文字を継げなかった
 といった話が巷間伝えられています。
 そういえば、銀座も西麻布もフルネームの「小笹寿し」ですね。
 客層は常連主体でしょうか。リピート率が非常に高いようで、
 マニアックにも小田原から
 わざわざこの店に食べに来るためだけに
 上京してきている常連客に遭遇したこともありました。
 「ナリサワ」の前身、
 「ラ ナプール」の常連でもあるそうです。
 当地の鮨屋には東京にないネタもあるのではないでしょうか。
 わざわざ新幹線を使い、一泊するほどのものなのか、
 私には他人の価値観がはかりしれません。
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