| 第378回傑出していないが平均以上、てんぷら 深町 2
 
 レモンと天つゆ、塩が用意されているのですが、客に出す天麩羅は紙を敷かず網の上に直接置かれます。
 すぐさま、ネットのレヴューで
 油切れが悪い、と書かれていたのを思い出しました。
 そういえば鍋から揚がったネタを出す時
 主人は箸でビュッと振る油切りをせず、そのまま出してくるのです。
 さくっとした、揚げ加減も適当な天麩羅だと思うのですが、
 先入観も手伝って食べ進んでいくうちに
 量の割に胃の負担を感じる気がしてきます。
 同じような価格帯である「畑中」とはネタの質が違います。エビも最高レベルとはいえないでしょうが旨み、甘みを感じるもの。
 最近「近藤」や「畑中」で遭遇し続けた穴子の臭みもなく、
 火もしっかりと入っていて悪くはありません。
 身の厚さにちょっと物足りなさを感じましたが。
 野菜も小さいものが1ポーションずつと、
 原価はいくらくらいだといちいち考えずに食べれば
 どれも標準以上の天麩羅です。
 追加で試したウニとハマグリと白魚。
 どれも「畑中」よりかなり上でした。
 やはりハマグリは海苔などで巻いて揚げなければ駄目でしょう。
 冷酒が1合2000円と高い物のほかは、凡庸な銘柄のものが700円と選択肢がありません。
 値付けは高いと推定します。
 造り付きのコースに追加を数品頼み、
 適度なお酒で一人1万5千円前後。
 高額有名店と比べると2割は安い設定価格、
 男性の同伴者は天茶を食べきるのが精一杯だったようで、
 量は充分と考えます。
 <結論>肴、ネタ数の豊富さと酒飲みに向いていると思うのですが、
 その割に用意されている肝心のお酒が少ないのが残念。
 どの天麩羅も平均点以上だが、
 印象に残るものもありませんでした。
 CPも悪くはないが良くもない、と
 すべて傑出したものがないのが特徴の店。
 私は中途半端でリピートしづらいと感じますが、
 肴も含めて一度は訪ねてみるべきと思います。
 他の価格帯の有名店との比較のために。
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