自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第354回
読者の方から友里への提案・質問への回答 その5
こんないい加減なソムリエがいるとは

私は、最近の店にいるソムリエは、
経験、技量のレベルがかなり低い場合が多いと主張してきました。
ところがそのような能力ではなく、
性格が悪いソムリエが存在しているとは、
読者の方からいただいたコメントを読み、
私は空いた口がふさがりませんでした。

自身がソムリエを職業とされていた女性の方ですが、
ご主人の転勤で都内へ引越。
近所のトラットリアで96年のワインをオーダーしたら
2001年のワインがテーブルに来たので当然クレームを付けたら、
次のように言い逃れしたそうです。

「このワインは特別に管理された貴重なワインです。
96年に収穫したぶどうを2001年に瓶詰めしたので
メニューに96年と書いてあるのも、ボトルが2001になっているのも
間違っておりません。」

今時このようなインチキ説明で納得する客がいると思っている、
このソムリエは、本当に性質が悪いと考えます。
フランスでは、
ラベルにヴィンテージを書かなくても
原産地呼称法には触れませんが、
嘘のヴィンテージを書くことは許されていないはずです。

瓶詰めや出荷した年がヴィンテージではなく、
ブドウの収穫年が表記すべきヴィンテージなのは、
ワインの初心者でも知っていることですが、
この暴論を押し通すところに、
この店の経営者を含めたスタッフの
客を馬鹿にした姿勢が読み取れます。

もう二度と再訪しないと言われていましたが、当然でしょう。
このような対応の店へはその場でクレームをつけても、
今更引っ込みがつかないでしょうから、
互いに不愉快になるだけかもしれません。

信義を大事にする風潮が、
料理店にはなくなってきているのでしょうか。
マスコミがやる、
必要以上のシェフのスター化もその一因と考えます。


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2004年7月3日(土)

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