| 第351回大阪の和食の限界か、本湖月 その2
 
 料理はコース制で1万5千円から5千円刻みで2万5千円までを、
 食材などの説明なしで前日までに決めなければなりません。
 しかし、我々を含めてカウンターの客は
 すべて1万5千円のコースをオーダー、
 さすが大阪だと感心させられました。
 しかし、10皿の料理、デザートが2皿と量は充分といえますが、和食の最高峰とはどうしても思えません。
 鱧のお椀は5月という時期なのか質の問題なのか生臭く、
 出汁は確かに淡いがよって余韻も続かない普通のレベル。
 鰹は燻しすぎで見た目は何の魚かわからず、
 煮穴子や天麩羅、稚鮎も私は食材の質を含めて疑問に感じました。
 創作系ですが、
 ふきのとうを包み焼いた太刀魚は、
 淡白な魚とのコントラストが面白い一品でした。
 その他、白和えなどいくつかに良いと感じるものがありましたが、
 〆は出汁巻き玉子に白ご飯。
 おいしくいただきましたが、
 1万5千円の割に原価率で不満を覚える食材に失望です。
 客層は男性客の接待系が主体で、カップルは見かけません。よって酒類の値付けは高めの設定、
 菊姫(吟)が1合3千円を超える値付けも不満です。
 「すきやばし 次郎」を日本一の鮨屋というのも無理があると思いますが、
 この店はより「日本一」に遠いと感じた次第です。
 コースが3種ありますが、きちんとした質差をつけて提供ができるでしょうか。
 ほとんどの客が最低値のコースを頼むお国柄で、
 一人二人にお椀や造り、焼き物、ご飯物で
 別食材が用意できるとは思えません。
 特に造りは部位やサクの問題もあり甚だ疑問です。
 <結論>早稲田の「松下」よりは上だが、
 京都や東京ではいくらでもあるレベル。
 同じ価格でも「と村」(赤坂)を見直す結果となりました。
 吉兆出身を言わないのは、恥じているのではなく、
 狙っている客層が違うので集客に苦労するからだ、
 とご主人は説明していました。
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