| 第350回大阪の和食の限界か、本湖月 その1
 
 私はこの店の存在を、「アンチ友里」を全面に押し出してきた
 コラム読者の方のメールから知りました。
 前著で取り上げた中で比較的褒めていた「吉兆」は、化学調味料を大量に使用しているので著者の舌は3流だと、
 故湯木貞一氏が
 味の素好きだったという根拠もない風評を持ち出して、
 書評などにも書き込みをしてきました。
 そして日本一の和食が吉兆出身を隠し通している
 この法善寺の「本湖月」とのこと。
 確かにアタックが強い出汁は吉兆の特徴ですが、
 それは営業柄、有名店として
 あらゆる範囲の客、誰にでもわかりやすい味わいを狙っているのが
 理由と考えます。
 アンチ友里の彼は
 その強さを化学調味料使用と勘違いされたようです。
 私は単にファンの方だけの推薦店は、訪問させていただいてもコラムなどでは取り上げないのですが、
 色々調べてみますとこの店はかなりの評判の店のようでした。
 フードジャーナリストの森脇慶子氏は
 大阪では出色の和食屋と評していましたし、
 ネットのレビューでは「高台寺和久傳」に次いで第二位。
 勿論そのアンチ友里氏も絶賛されていました。
 充分友里が取り上げることの出来る条件、
 つまり世間に名が知れて、
 料理評論家やフード・レストランジャーナリストが
 褒め上げている店でしたので、
 機会をみつけて知人と突入したのです。
 1階は8席のカウンターで2階は座敷。つけ場には常時焼き方と配膳の若手が二人いますが、
 主人は奥の厨房にこもっています。
 造りと焼き物以外は目の前で調理も盛り付けもしていない
 カウンター割烹でした。
 (明日へ続く) |