| 第322回鉄板焼きを数回我慢してでも、あら皮 1
 巷では破格の請求額との風評がありますが、肉自体のうまさも認められているステーキ店です。
 新橋駅からは10分以上かかるでしょう。
 ぱっとしないビルの地下、しかもその突き当たり。
 30名前後のキャパでしょうか、しかし私は満席になっているところを見たことがありません。
 かなりの高額店ですが、接待系のグループ以外に
 5〜6人の家族連れを見かける事もありますが、
 経費で落としている固定客が主体と考えます。
 洋食屋っぽいあまり垢抜けない内装に
 厨房が覗けるオープンキッチン。
 スタッフはなぜか全員コック帽をかぶっています。
 この店が天文学的に高いと言われている一つの理由は、
 メニューが提示されないことでしょう。
 スタッフは前菜としてホタテやスモークサーモン、寒鰤などを口頭で挙げるだけで価格を言いません。
 この店へ来る客は、
 支払額を気にする人がいないと思っているのでしょうが、
 価格を確認する勇気が初訪問客にあるとは思えません。
 肉もロースかヒレで厚さを指定するだけです。
 まったく不明朗。
 高価格、不明朗という風聞をカリスマ性に結び付けて
 店の名を高めようとしているのかもしれませんが、
 私は価格をしっかり開示した方が客は増えると考えます。
 実際言われているほど高くはありませんし
 (一人10万円近いとの口コミもあるが)、
 肉など食材で勝負できる店ですから、
 情報を開示することによって多くの人たちに
 一度はこのステーキを味わっていただきたいと考えます。
 寒鰤の価格は1万円くらいと聞いた事があります。確かに高いが高飛車なグランメゾンとたいして変わりありません。
 炭で焼いたその部位の大きさに驚くはずです。
 二人分はあるでしょう。
 その他、店自慢のスモークサーモンやホタテ(一人分2枚)も
 そのポーションはかなり大きい。
 肉も100グラム1万円くらいの計算になるはずです。
 目安は二人分で4万円くらい。
 こう書くとやはり無茶苦茶高いではないか言われそうですが、
 これらアラカルトを頼まずコースで頼む方法もあります。
 一人4万5千円、月替わりで内容が違いますが、
 ホタテや鰤などの魚系が2皿に
 蟹やサイマキエビのサラダがついてロース肉となります。
 2人からのオーダーですが、肉量の目安は400グラムというので
 一人分は200グラム。
 今日日のホテルの鉄板焼きでも、
 高いコースですと2万円を超えますが、
 それでもあの油にまみれた鉄板で
 不必要に脂の入りすぎた肉が150グラム前後。
 重量を補正して考えると2倍はしない計算ですから、
 私は初訪問の方には
 いつもの主張とは違いますがコースをお勧めします。
 前菜を選べませんが、肉自身に違いはないでしょう。
 店は肉の厚さを強調します。炭焼きですが、厚くなればなるほど肉汁が封じ込められて
 より旨みが増すということです。
 残念ながらコースでは肉はレギュラーサイズ。
 それでも2センチ以上はありますから、
 薄っぺらな鉄板ステーキとは違います。
 セミキング、キングサイズと厚くしていくと、
 その分重量も500、600グラム(二人分として)増えていきますが、
 懐に余裕があるなら
 100グラム当たり1万円の追加を払えば変更は可能です。
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