第316回
ポンテ ベッキオ その2
料理はコース主体のようです。
7皿くらいのお任せが13650円。
有名シェフは厨房に不在がちでしょうから、
誰の「お任せ」なのか。
ほかに前菜、プリモ、セコンドと各アラカルトメニューから選べる
プリフィクスコースが1万500円。
コース、単品ともポーションもほとんど変わらないようですから、
こちらがお得と言えるでしょう。
最終的な量はコースで充分です。
アミューズとして、2品創作系の皿がでてきました。
トマトのムースは皿もカトラリーも冷えていて満足。
ズッキーニのソースのかかった鮎のコンフィはよくわかりません。
酸味や塩が足りない。
そしてスペシャリテを続けました。
ポテトとマスカロポーネは
キャビアの塩味とマスカロポーネの甘みが合っています。
ポルチーニと鮑の油炒めは、クレソンとあいまって変わったお味。
これがイタリアンなのでしょうか。
筍のタリオリーニは、
せっかくのポルチーニの味わいがでていなく残念。
しかし皿はかなり熱かった。
子羊もまずまずで、添え物のアーティチョークのフライもよかった。
前皿のポルチーニのかわりに
アーティチョークを入れたらどうかと思いつきました。
卓上のオイルがヘタッていてイマイチなのに、
コペルトとして840円を請求されるのが気に入らないが、
これで10500円は
大阪の高額イタリアンとしては悪くはないでしょう。
シェフは最近和の食材に懲りだしたようで、
色々創作を考え出しているようですが、
はやく迷走状態から回帰することを期待します。
ワインリストも安い値付け。
なぜかスプマンテはなくシャンパーニュだけです。
しかし、クリスタル‘97が16800円と
小売定価とほとんど変わらない値付け。
一般より3割は安いでしょう。
このグラスも2940円。
プレステージシャンパーニュをグラスで頼むかどうかは別ですが。
フランスの有名造り手の白ワインが、
小売とたいして変わらない値付けに驚き、
イタリアのレアなワインも
絶対額は2万、3万と高いですが掛け率はかなり安いようです。
ホールスタッフは皆ソムリエ資格をとるよう推奨しているようで、
女性陣も皆バッジをつけていました。
大阪4店でいったい何人のソムリエを抱えているのでしょうか。
「ナリサワ」へ一人派遣することを提案します。
食中にもビールを頼む無粋な客にも寛容なようで、
サービス面では不満はありません。
適度なワインを頼めば、一人2万円はかからないでしょう。
<結論>
シェフが厨房にいなくても料理は安定しているようだ。
ワインの値付けは当初の「ヒロ チェントロ」以上に安いかも。
中には創作料理で空回りしているものもあるが、
まとまっていて有名店の割に、料理もCPも悪くない。
カハラへ1回いくなら2回楽しめる価格だが、
掛け率は低くとも高めのワインを頼みがちで、
ワイン好きには結果、支払いが高くなるかもしれません。
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