| 第312回料理評論家、フード・レストランジャーナリストの習性・実態
 その28
 店に値上げをすすめるとは・・・
 最近は一時の勢いがなくなってきたかもしれませんが、高田馬場の「ラミティエ」はまだまだ賑わっているようです。
 この店のウリは、しっかりしたビストロ料理がランチで1千円、ディナーで2千円(消費税不含)で食べられるということです。
 よほどの大食漢でなければ充分なボリューム。
 大流行だったイタリアン「ベットラ」でも3800円ですから、
 この店の値付けは破格でしょう。
 こんなCPの良い店は長く続いて欲しいのですが、なんと、自称料理評論家の山本益博氏は、
 「一個人」という雑誌への掲載で、堂々と
 店のオーナーシェフに値上げの提案をしたことを
 自慢げに書いてありました。
 おいおい、やっぱりスタンスは店側にばっちり置いているではないか、
 と突っ込むのは私友里征耶だけでしょうか。
 「ランチが1千円でうれしいが、安くやるには素材が限られ、料理が停滞する。レベルを上げるには価格を上げては」
 という意見。
 今までの活況は、
 価格に見合う、もしくは上回るCPのよさからの人気のはずです。
 素材が限られレベルが落ちてきたら、自然と客は離れるでしょう。
 離れられるのがいやならば、店は頑張って料理のレベルを維持するはずです。
 この店の雰囲気、コンセプトとは異なるような、
 素材のレベルを上げてまで価格をアップすることを
 今の客層が望んでいるのでしょうか。
 価格がこの店より高くていいならば、
 それなりの店は他にもあります。
 高田馬場でこの店構え、そしてこの料理の割にこの価格、といった
 バランスが人気を呼んでいるはずです。
 生業の元である一般読者をないがしろにし、あたかもご意見番、名伯楽のように
 料理店に恩をうるがごとくの、
 自意識過剰のアドヴァイスに、私は非常に違和感を覚えました。
 店側から便宜をはかってもらっていることはないと信じたい。
 しかしソーホーズ ホスピタリティー グループとの
 顧問契約問題への明確な弁明は未だでていません。
 顧問料を受け取っていたのか、
 受け取っていないにしても、
 なぜ宣伝にもなってしまう顧問会社のHPに
 名前を載せるのを許し、
 しかもその関連料理店である「
  家菜」を 巷の評判とかけ離れて必要以上に推奨し続けたのか、
 説明がないのが残念です。
 デビューしたての初心を思い出していただきたいものです。
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