| 第303回消費者(一般客)も賢くなってきています
 先日テレビで、食材の表示の問題を取り上げていました。最近はワインの原産地呼称法ではないですが、
 生産地の正直な開示が求められています。
 小田原のアジの干物のほとんどが、
 カナダなど海外で釣られたものだというのは有名ですね。
 しかし、産地ではなく、品名を変えて一般客に売りつけるのは
 より問題だと思います。
 「タラバガニ」と「アブラガニ」。食べ放題の店ではよく、この廉価な「アブラガニ」を
 「タラバ」と称して出しているのは昔から言われていました。
 しかし、北海道など収獲地にある店先で
 どうどうと「アブラ」を「タラバ」と称して売っており、
 その事を指摘しても開き直る店が多かったのには驚きました。
 「アブラ」の安い仕入れで、「タラバ」の高い売値をつける。
 既得権と開き直っていいのでしょうか。
 騙される方が悪いと言ってしまえばそれまでですが、放送ではこの両者の見分け方を詳細に説明していましたから、
 今後はこのようなあくどい商売は難しくなってくるでしょう。
 食べ放題などの店は今後
 「アブラカニ食べ放題」と真の表示をするか、
 「タラバ」のままの表示で突起の数を数えられないように
 甲羅をはがす、ツメの部分を出さない、などの
 対応をしてくるかもしれません。
 その他、禁猟に入ったはずなのに出続けている収獲地近辺の「ズワイガニ」。
 春でも出せるのは、安い「ベニズワイガニ」か、
 冷凍物に決まっています。
 最近はちゃんと食材名を明記しているフレンチもありますが、「毛蟹」と廉価版である「クリガニ」。
 これはあまり知られていないでしょうか。
 山本益博氏が最近集中的に指摘している、本山葵のすり立てか、ねり物を混ぜているかの問題もそうですが、
 他にもビュッフェスタイルでの料理での、キャビアなども
 真贋が疑わしいものがあります。
 スーパーで売られているトロなどの鮪も、冷凍が一般的ですが、ほとんどは「メバチ」や「キハダ」ではないでしょうか。
 ひときわグラム単価の高いものだけが「本鮪」、「黒鮪」と、
 わざわざ表示されていますからね。
 本物志向の時代と言われています。偽物をだして知らずに食べる客を見てほくそえむ
 販売店や料理店がなくなるには、
 消費者や一般客の更なる知識向上が必要なのでしょうか。
 店側の真摯な態度に期待したいものです。
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