第253回
料理評論家、フード・レストランジャーナリストの習性・実態
その27
評価基準が一定していないためにヨイショ評論となる
とにかく手当たり次第に店を取り上げて
大きく雑誌に載せるのが彼らの第一の仕事のようです。
料理店への評価基準は一定せず、
日和見でもかまわないのでしょうか。
「一個人」4月号では「路地裏の名店」として、
山本益博氏は「ビストロ カシュカシュ」を
3ページにわたって大きく取り上げています。
シェフと一緒に、
彼の写真を載せる意味がこの手の雑誌にあるのか、
読者が望んでいると思っているのか、
彼の自己顕示欲を云々する気はここではありません。
私はこの店に行った事がないので
その評価自体をどうこう言う資格はないのですが、
ひとつ疑問に思うところがありました。
この店のシェフは、素材自体の持ち味を大切にして調理していると
紹介されています。
斎木シェフは
「ジャガイモを
ジャガイモでない料理にしてしまう料理人が多すぎますよ」
と訴えています。
マスヒロ氏も
「素材に敬意を払わない料理人は料理人ではない」
と述べられています。
素材に敬意を払っていないかどうかはわかりませんが、
マスヒロ氏が前々から絶賛し親しくしていると言っている
「エル ブリ」のフェランさん。
彼の料理は、マスヒロ氏や他の人の本を読んだところ、
元の素材がなんだかわからないように加工した、
サプライズ料理でしょう。
最初は理解できなかった、
とマスヒロ氏も言っていたと記憶しています。
「ジャガイモをジャガイモでない料理にしてしまう料理人」
の一人にフェラン氏が入るのではないかと思うのは
私だけでしょうか。
その是非を問題にしているのではありません。
ポリシーの違う料理人を、今までの評価基準、脈絡に関係なく
場当たり的に褒めまくって紹介しているのは
いかがなものかと考える次第です。
評価の前に、「まず店紹介」
といった意図が読み取れてしまうところに、
この業界の胡散臭さが良くでていると考えます。
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