自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第251回
番外編、チャンコダイニング 若

元横綱・現あまり売れていないタレントがプロデュース。
そして店名はそのものずばりの「ダイニング」。
私が日頃言っている、
避けなければならない要素を多く持っていると思われる
コンセプトの店なのですが、
先日魔が差したわけではありませんが入店してしまいました。
週末になぜか鍋物が食べたくなり、
この有名店を思い出したのです。
私は今まで「ちゃんこ鍋」というものを食べた事がなく、
どのような味でどんな食材が入っているのか、
興味と怖いもの見たさの両方がありました。

巷の評判は悪くありません。
おいしいといった週刊誌のコラムもあり、
予想したとおり当日では予約が入りません。
かろうじて翌日のオープン時刻17時からの2時間を予約。
なんと入場制限というか2時間制をとって
一日に何回転も回しているほどの繁盛店なのです。

内装はまったくの照明を落としたダイニング系。
若いスタッフが大きな声で応対しますが、
厨房の中をみても元相撲取りらしく人が見当たりません。

メニューには巧妙なしかけが施してあります。
一応鍋は塩、醤油、味噌と3種の味があるらしく、一人分2400円。
結構安いように感じるのですが、
それだけでは終わらないシステムをとっています。
春巻き、さつま揚げ、馬刺し、ユッケと
マスコミは1000円前後の一品料理も褒め称えているため、
鍋だけで終わらす客は少ないでしょう。
1品の価格を微妙に安く設定しているのも頭脳的。
鍋も基本の具は野菜、鶏、ツクネ、豆腐などじつにシンプル。
しかしトッピングと称して、
20種以上の追加の具が500円から用意されています。
それぞれの味のスープをよりおいしくすると謳った
お勧め3品トッピングセットまであります。
つまり、この店は
基本の2400円の鍋とアルコールだけでは帰れない店なのです。
かくして調子に乗って一品料理とトッピングを楽しんでしまうと、
一人当たりの単価は5000円をかるく超えてしまうことになります。

肝心の味ですが、経験不足でよくわかりません。
人気の塩スープでしたが、それなりに食べられたところをみると、
悪くはないのでしょうか。

<結論>
若関が考えたとは思えないが、
巧妙な価格・料理戦略で、客はしらずに
チャンコ料理としてはかなりの出費をすることになります。
幼児連れの家族も、若い女性も、
そしてデートのカップルもと対象は幅広いダイニングです。
駅からちょっと遠いのが難点。
1回行ったら飽きるかもしれません。


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