| 第243回ワインの諸々 その13
 食後酒の位置づけ
 最近のフレンチ、イタリアンでは食後酒をかなり用意している店が増えてきたようです。
 食後酒はどんな時に頼むのでしょうか。
 本来はデセールと同じく、
 最後の〆に、満腹感にするために飲むものなのかもしれませんが、
 ちょっと飲み足りない、アルコールが足りない、という理由で
 私はよく頼んでしまいます。
 ソーテルヌやポルト、シェリー酒といった甘口以外にも、フィーヌ、マール、カルヴァドス、グラッパ、アルマニャック
 といった蒸留酒系も最近は各種揃えられています。
 これらの共通点は日持ちが良いということでしょうか。普通のスティルワインは
 抜栓すると直ぐ飲まなければなりませんが、
 食後酒はソーテルヌやポルトといった甘口でさえも
 抜栓から数ヶ月は持たせる事ができます。
 フロマージュと同じく、
 まだまだ食後酒まで頼む客は少ないようですから、
 日持ちできなければ店で提供する事は難しいでしょう。
 グランメゾン系では、ハーフを主体に
 食後酒をワインリストに入れているところもありますが、
 これらのワインをボトルで頼む客は稀です。
 白、赤といったグラスワインは高くても2千円止まりでしょうが、食後酒はだいたい2〜3千円の価格帯です。
 高い店では4千円のものもあります。
 仕入値がわかっている人は頼みにくい高めの値付けなのですが、
 回転しにくいお酒なので致し方ないかもしれません。
 最近流行のライトドランカー向けの店、ほとんどの客が女性でワインをボトルで頼まない、
 オレンジジュースで食べる、といった店、
 例えば「サリュー」などでは
 ほとんど必要のないお酒でもありますね。
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