| 第235回料理評論家、フード・レストランジャーナリストの習性・実態
 その24
 一般読者の声を聞いているのか
 このコラムを担当させていただいて、読者の方々から事務局を通してメールをいただく機会が増えました。
 励ましや賛同のお便りの他、
 間違いのご指摘や私と違ったご意見も多数いただいております。
 10人の人がいれば10通りの考えがあるわけで、
 私の意見が絶対だとは思っておりません。
 特に最近は、
 タイトルと違って「行っていい店」がないではないか、
 といったご指摘が増えてきました。
 このところマスコミに大きく取り上げられている店や人気店を狙い撃ちして入店している傾向が強くなってしまっており、
 結果、マスコミの過大評価で
 「いい」と感じる店が少ないのが主因と思いますが、
 私の性格なのか、良いと思った店を、
 諸手を挙げてすべて褒めまくることが出来ないので、
 必ず気づいた問題点をセットで述べるため、
 読者の方には「褒めている」、「推薦している」と
 読み取れないのかもしれません。
 いただいたお便りは、時間の許す限りお返事を出しているのですが、
 筆力がないせいかご理解いただいているか心配です。
 多分4月には実現されると頑張っているのですが、
 昨年出した拙著の続編というものを企画しています。
 今回は皆様のご意見を参考に、前著とはやや構成を変えた内容で
 色々な工夫を加えているつもりです。
 ところであいも変わらず、フード・レストランジャーナリストたちの発信する情報は、
 巷の雑誌に溢れかえっております。
 しかし、その取材姿勢、執筆方針は、あいも変わらず「甘口」で
 店の売り出しといった
 軸足が読者から離れたものに終始しているようです。
 拙著や私のコラムの読者の方だけが
 彼らの取材姿勢に違和感を持っているわけではなく、
 彼らの読者たちも妄信的に追従しているとは思えません。
 彼らフード・レストランジャーナリストたちは、
 一般読者の声、意見に
 耳を貸すということをしていないのでしょうか。
 慣性力がつきすぎて、今更方向転換が出来なくなっているのか、
 それともまったくそのような意見を無視するつもりなのか、
 そろそろ明確に回答してもよい時期ではないでしょうか。
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