第219回
ある週刊誌への取材回答 その3
数年前の訪問データを載せているのはおかしい
・数年前に訪れた際の店の状況、データを掲載されておりますが、
お店の状況は日々変化していくものであるのに
そのまま掲載し続けることは、店側も不本意であるようです。
この意見にどうお答えしますか。
<回答>
拙著は味そのものやサービスも、
料理人、オーナーの性格・経営姿勢に影響を受ける、
と力説しています。
変なソムリエをチェックしないで雇っていた。
カード手数料を客に転嫁し、
カード会社から指摘されても抵抗し続けた。
などの話は確かに最近の話ではありませんが、
人間、性格はそう簡単に変わりません。
オーナーや料理人が代わっていない、
店のコンセプトが変わっていないと思い、
取り上げた表面上の問題点(カード手数料の上乗せなど)が
解決されていても、
他の部分にその性格が反映されているかもしれないと考え、
書いた次第です。
もし数年前のデータが駄目というならば、
2〜3年前に出版されている評価本が、
未だに書店に積まれている事実をどう非難されるのでしょうか。
結構あります。
横川潤氏の「東京イタリアン 誘惑の50店」は、
2000年出版のものですが、未だに本屋に並んでいます。
データも、私の取り上げた
例の奇妙なソムリエを雇っている店のものは、
私が取り上げた時期と同じ頃ではないかと推測されます。
他の評価本も2年に1回とか、
たとえ更新されていても店の評価、紹介が
修正されていない本もあります。
取り上げている店が閉鎖されている場合もみかけます。
拙著だけ取材時期を問題視するのはいかがなものでしょうか。
購入した読者は、結果、古いデータを見てしまうのですから、
このような批判をする方は、
出版が古く、未だ書店に並べられているこの手の評価本に対しても
批判するべきですね。
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