第175回
ラ ターブル ド コンマ
「東京いい店、うまい店」や「東京最高のレストラン」などで
高い評価を得ている駒沢のフレンチ。
野菜をメインにしたコースを設定するなど
立地の割には以前から有名でした。
昔、家内がこの「野菜コース」を頼もうとした際、
スタッフが「量が少ない」とかの理由で高いコースへ誘導した事、
そして、何の断りもなく、頼んだ料理の食材を変更してきたなど
主にサービス面で良い印象が残っていなかったのですが、
久々の訪問で、私は見直しました。確かに料理はおいしい。
占有面積を増やしたようで、
入り口付近はウェーティングと半個室、
ホールは右側奥に移動していました。
かなり豪華になりました。中庭の景観も悪くはありません。
30名弱のキャパでしょうが、客の入りは悪いようです。
5割も入っていません。
ホールスタッフの数が少ないので、
この日だけの傾向ではないようです。
着席するとシェフ本人がメニューを持ってくるのも
暇である証左でしょうか。
ウリの野菜コースは2千円値上がり7千円に、
しかし、お任せスタイルのスープのある5千円コース、
気軽な8千円コース(この価格で何が気軽なものか)と
プリフィクスの1万円と選択肢は多くなっておりました。
この立地にしてはかなり高いですが、
好みの食材を選びたいなら1万円コースしかありません。
この店のプリフィクスの特徴は、
前菜、魚、肉のラインナップから
どれでも好きな3皿を選ぶことができることです。
極端に言うと、
メインの肉料理を3種とってもかまわないとのこと。
面白い試みなのですが、
肉料理は牛頬肉赤ワイン煮、シャラン産鴨のロースト、
蝦夷鹿のローストと
どこでもありそうな定番料理で重ねて頼む気がおこりません。
前菜で2皿、そしてメインという普通の選択になるはずです。
料理は野菜コースと思われるほど
どれもふんだんに野菜を盛り付けています。
非常にヘルシーでおいしいもの。
肉系も満足するものでした。
1万円ということで、CPのよさはさほど感じませんが、
客が少ない割に料理は満足できるもの。
ただし、サービス陣には失望です。
客が少ないとはいっても、フロアスタッフは1名。
テーブルウォッチングはなされておらず、
料理やワインの説明も満足にできませんでした。
ワインは6千円から2万円と頼みやすい価格です。
有名造り手でないかわりに
‘90年前後とやや熟成されたワインを揃えているのは
評価できると考えます。
値付けはシャンパーニュがやや高めといった感じ。
適度なワインで一人2万円を超えましたが、
中庭の見えるホールは雰囲気もよく、
価格を考えなければ料理は味も量も悪くはありません。
頼むワインのレベルを我慢できれば、
予約もとり易くリピートも可能と考えます。
|