第162回
前菜に比べてメインが少ない、「ルスティカネラ」
場所は赤坂ながら、一ツ木通りから路地に入って
かなりの距離にあるイタリアンです。
昨年オープンし、そろそろガイド本などでも取り上げられてきた、
知る人ぞ知る隠れ家的な店のようです。
初めての人は見つけにくくかなり不安になりますが、
周りにはお忍び系とも見える小洒落た飲食店が点在しております。
入り口も目立ちません。
店内は茶系で統一されており落ち着いた雰囲気です。
奥がオープンキッチン、
4席ほどのカウンターは使用されていないでしょう。
テーブルは6卓、入り口付近に個室がありますので、
30名を超えるキャパと想像できます。
「リストランテ キオラ」と違って近くにコンビニもなく、
外から隔離された空間なので落ち着くことはできますが、
雰囲気だけでなく果たして料理も注目できるか、
BGMの音量が大きいのが気になったのですが。
ホールスタッフは3名ほど。厨房内も3名ほど確認できました。
しかし、ワインも含めて
料理をうまく説明できる人は1人しかいません。
ストレスを若干感じます。
料理は4800円と6000円のお任せか、アラカルト。
前菜が1500円、パスタが1800円、メインが2500円前後と
今時の普通の価格帯です。
特に前菜や手打ち麺に力をいれているのでしょうか、
前菜、乾麺、手打ちと各5種のメニュー以外に、
黒板に本日のお勧めとしてかなりの料理が列記されていました。
初訪問の客としてはかなり迷うことになりそう。
反面、魚は食材が3種で調理法は客指定となります。
「アッピア」と同じシステムですが、
シェフの主張を感じられません。
肉も5種ほどですが、
サルシッチャ(腸詰ソーセージのようなもの)やホロホロ鳥、
仔羊、仔牛のカツレツ、和牛などありきたりの物が多く、
食指を動かされるものがありません。
前菜は「カメの手」なる珍しい貝を使ったサラダなど
量は多くはありませんが、まずまず。
パスタもラグー系の手打ちはなかなかのものでした。
オーダーの時、
手打ち麺はサンプルを持ってきて説明してくれるのも
客には親切でしょう。
メインはちょっとがっかり。
サルシッチャを開いてソテーしているので、
肉汁が逃げてジューシーさや旨みを感じません。
同時期、「キノシタ」のサルシッチャを雑誌で見ましたが、
はるかにおいしそうでした。
ホロホロ鳥の胸肉もイマイチ。
ローストも塩が緩い。
どうやら、前菜数点とパスタ系で満足して帰るのが
この店の有効な利用法のようです。
ワインは1枚だけのリストでプアーと言えます。
小売の1.5倍くらいと安めな設定で、
リスト外からも5〜6千円レベルの物を勧めてきますので、
良心的な店と言えるでしょう。
前菜と手打ち麺に見るものがあり、
無理にメインを頼んでワインを飲んで一人1万5千円未満。
「ピアット スズキ」よりはかなりCPが良いと考えます。
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