自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第157回
オーナーシェフの店なの?「アロマクラシコ」その2

レセプションカウンターの存在は予想外でしたが、
ホールへ案内されて更にビックリです。
内装は白をベースにし、茶系も入れていますが
流行のダイニングのイメージ。
中庭に面した側は一面ガラス張りで、
窓際は2席のカップル専用となっています。
これだけで6卓以上あります。
そして一段高くなったフロアに
ボックスシートを利用した4人掛けのテーブル。
どの席からも窓越しに
中庭を見る事が出来るように配慮した設計のようですが、
それほどまでして見るほどの魅力がこの中庭にはありません。
この4人掛けが12卓は確認できましたから、
それだけで50名ほど。
個室もあるようですから総勢70名を超えるキャパと判断します。
驚くべき大箱、大量生産方式です。

ホールスタッフも10名以上いますが正確には数え切れません。
最近流行の頭の毛を逆立てた「イケメン」スタッフも
適度に配置しているところは前店と同じ戦法のようです。

料理は6500円のコースを売り続けたいのでしょう、
アラカルトメニューはかなり割高な設定となっております。
コースは7皿くらい、前菜やパスタも何皿かでてくるようですが、
メインの炭火焼は2名単位で
同じ食材を頼まなければならないようです。
好みが違う場合は頼めません。
アラカルトは前菜が1600円均一で9種、
パスタが1800円均一で9皿とまずまずの値付けなのですが、
メインの肉は、2800円から6500円までと
かなり幅はひろくなりますが強気の価格です。
炭火焼が5種、ローストも5種食材ごとにありますが、
肉では煮込みやソテーなど他の調理法がないのが特徴です。

アラカルトは前菜、パスタと万人受けする味付け。
それほど印象に残るものはありません。
ネットでもあまり評判は良くないようです。
単品の肉系はどれもかなりのボリューム。
原田氏の姿が厨房内で確認できましたから、
自ら焼いているのでしょう、
岩手処女牛のビステッカ、近江牛のイチボ、琉球豚など
マスコミで騒がれている皿はどれも5千円前後と
フレンチ高級店に匹敵する価格なるも、
量は充分で焼き物の醍醐味を味わえた一品でした。

これだけの価格をとり、
ポーションを大きくして炭火などで焼き上げれば、
それなりの質の食材を使えば
結果が出るのはわかりきっております。
「寺内」をはじめ
昨今のイタリアンが炭火焼に傾倒しだしたのは、
手間隙、下ごしらえを省いても、結果が出しやすいからと
私は考えてしまうのです。
ワインリストは立派。
イタリア物しかないようですが、値付けも安く、
5千円前後のものから高級ワインまで幅広く網羅されています。
客層から判断して、ワインはそんなに出ないでしょう。
お得感を出したコース料理や単品価格の高い炭火焼などで
利益をあげる戦略。
コペルトを別に500円、サービス料も10%で、
最終的にはかなりの金額になるはずです。

<結論>
選択肢のあるアラカルトだと、
ワインを飲んで一人1万5千円はかるく超える。
前菜、パスタは一般レベル、
肉系は炭火焼かローストしかないので、季節感がありません。
話のタネに1回だけ。


←前回記事へ 2003年12月6日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ