第125回
店、料理人からの反論に対して その2
店や料理人は儲けてはいけないのか
「ワインが高すぎるとか、コストパフォーマンスが悪いとか、
まるでレストランは儲けちゃいけないと主張している。
どの店もビジネスでやっているのです。
客足が落ちた店もあると聞きます。これは死活問題です」
私は今まで店や料理人が儲けてはいけないなどと
言ったことはありません。
ワインの値付けは、格が同じ店でも
掛け率が店によってかなり違います。
つまり、掛け率の違いが店の経営方針を表していると考え、
それを取り上げているのです。
誰でも利益率を高くして、
数を売らなくてもいっきに儲けたいと思うでしょう。
でも、同じような格の店が安くしていたら、
客はこちらには来ない。
いや、それならワインの価格を下げなくとも、
料理をおいしくして集客を諮ろう、と
色々経営努力をするはずです。
料理で集客を期待できない店は、価格を落とすかもしれません。
このように、外観、内装、サービス、料理、ワインなど
トータルで感じたCPを述べられることを、
店はなぜ嫌がるのでしょうか。
今までは、客側の勉強不足を良いことに
値付けを誤魔化してきたからにすぎません。
傑出しない料理と普通のワインだが
価格を安くして薄利多売で利益を得る。
料理に特徴を持たせる、レアワインを用意する、など
目玉をつくり、高い価格だが客を寄せ付け利益を上げる。
凡庸な料理にたいしたことないワイン、
しかしフードジャーナリストのアシストで、
高い価格でも客を呼ぶ。
など店は色々な方針をとっています。
私はその辺のところをCPやワインの値付け率といった表現で、
読者の皆さんに情報公開しているに過ぎません。
魅力的な料理やワインで客をひきつけて
適正利益をあげている店を批判しているのではないのです。
過大評価の店や客を客とも思わない和食店、
スタッフの費用をケチって
客に多大なストレスを与えているイタリアンなどに対して、
これで読者はいいのか、
CPはよくないはず、と問いかけているだけです。
彼ら料理人は、自分たちが儲ける権利を主張しますが、
客側にもその料理やサービスに見合った金額を請求する
CPの良い店を選びたい、という
当然の権利があることに気がついていません。
今までの料理評論家、
フードジャーナリストたちの甘やかしが
一番の原因と考えます。
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