第116回
ダイニング系の繁殖について その3
価格レベルは同じでも、食後感がまったく違う2店
先日偶然にも同じ地区の「ダイニング」と思われる店に
続けて行く機会がありました。
食後感もまったく異なる2店でしたが、
具体例を出して考えてみたいと思います。
- 西麻布 もぐら -
「ドラゴン ホール」という中華が閉店して出来た、
無国籍料理のダイニング。
1階はバー、2階がホール、3階は個室で、
4階がVIPルームという、私の常識の範疇をこえたコンセプト。
なぜVIPルームなるネーミングの個室が必要なのでしょうか。
これだけでも、胡散臭い店の印象を与えてくれます。
料理は最悪。
無国籍ですから、和洋色々取り揃えてあります。
バーニャ カウダは、野菜スティックがわずか5本で1400円。
鯛茶も刺身ではなく焼いたものを乗せ、
市販のシャブシャブ用の胡麻ダレよりまずいかと思われるものが
かかっているもの。
おでんも1800円の割に、出汁のまったくしみ込んでいないもので、
家庭で造った方がまし。
料理はこのほか食べたものすべてが疑問に思うものでした。
ワインはこのレベルの料理の割に有名ワインを揃え、
驚くほど高い掛け率で値付けています。
そして、お通し。
3品ほどが小皿に乗っているのですが、
料理が1〜2000円が主体というのに、一人1000円要求されました。
やりすぎです。
私は注文をやめて
帰宅して食べ直しを決意したにもかかわらず、
客単価は5000円を超えました。
客層も不思議。
普通のカップルは入っていませんでした。
客自体が少なかったですが。
- AHILL(日赤通り)-
店名が「あひる?」。聞いた瞬間に腰が引けました。
こんなネーミングでまともな料理を出すのでしょうか。
カウンターとボックスシート主体、
鉄板焼きとフレンチ風の料理のダイニングのようです。
料理はコース主体で、3800円のプリフィクス。
アラカルトもプリフィクスメニューのなかから選ぶので、
種類は少ない。
和牛のステーキや、鮑のチャーハンに
追加料金が設定されてはいるものの、頼んだ料理はまずまずで、
「もぐら」と違ってすべて食べきれました。
ワインも見栄をはらず、3〜5000円のものが主体。
有名ワインはありません。これで、やはり客単価5000円強です。
客単価は同じでも、食後感にかなりの違いがありました。
片方は二度といかないレベルです。
よくこのような料理、価格設定で勝負をかけてきたな、と
感心するくらい無謀とも思える営業姿勢。
共通しているのは、落ち着かない内装と、親切な従業員。
この手の店はあまり経験がないのですが、
スタッフの接客態度は両店共に悪くは無かったです。
せめて、一つはとり得がないと、店はやっていけないのでしょう。
ダイニング自体に、
料理を期待してはいけない事はわかっています。
可もなく不可もなく、といったレベルの店に当たれば
満足しなければならない、というのが今回の私の結論です。
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