自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第91回
ワインの諸々 その1
高すぎるワインセラー

先週でひとまず「ワインの購入方法」シリーズは終えまして、
日曜はその他「ワインの諸々」として、
私の感じた事を少しずつ書いていきたいと思っております。

まず、今回は「高すぎるワインセラー」からスタートです。
先日、家電量販店へ冷蔵庫も見に行って、
その価格低下に驚きました。
400リットルを超える大型冷蔵庫が10万円台前半で
各社売られています。ポイントバックも10%ついてです。

それに比べて割高なのが家庭用ワインセラー。
セラーというと誤解がでますから、
正確には「ワイン用冷蔵庫」というものです。
30本入りの小さいものでも15万円、100本を超える、
しかし大きさ的には大型冷蔵庫と同じくらいのものだと
40万円にはなるでしょう。

普通の冷蔵庫とこのワイン用冷蔵庫の違いはなんでしょうか。
ワインには湿度が必要だそうです。
コルクが乾燥しないようにというのが主な理由でしょうか。
70%近辺の湿度と、庫内温度は10〜16度くらいの調整範囲、
そして振動が少ないというのが特徴です。

でも、保冷力の優れたメーカーの物は
結構うるさくて振動があります。
静かなメーカーのものは、保冷力が弱くて、
日本の夏場を越すことが出来ません。
最強にしても庫内温度を15度にとどめられず、
ワインを守る為に、部屋全体を夏の期間中、
24時間冷房した経験があります。
外国のあるワイン研究家は、
本当に振動がワインに悪影響を与えるか、
ボトルを長期にわたって叩いて実験した結果、
何も変化がないと明言しています。

つまり、実際は家庭の冷蔵庫と
大して違わない構造と能力でカバー出来そうに思われる
「ワイン用冷蔵庫」が2倍、3倍の価格になっているのですから、
一般家庭に普及しないのです。
保管庫が普及しないから、
これまたワインも普及しないとなるようです。
売れないから安く造れない、安くないから売れない。
鶏とタマゴの関係ですが、
メーカーには定価を下げる英断を下してもらいたいものです。
それがワインの普及にもつながり、
結果、ワイン用冷蔵庫の売上げアップにもなるのではないかと
私は考えます。


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