| 第5回低価格店 ラミティエ (高田馬場)
 外観、内装はまったく普通の街場のレストランというか食堂です。詰め込み主義ですし、2回転営業なので
 予約は18時か20時に限られます。
 テーブル間は狭く、コートは自分で掛けなければなりませんし、
 荷物は空いている椅子か足元に置かなければなりません。
 スペースや内装、什器を必要最低限までにし、
 なるべく客を多くとる営業方針をとっています。
 つまりサービス面では客側として
 まったく居心地が悪い店になってしまいます。
 テーブルも小さいし、椅子も長時間は無理な造りです。
 低価格なのは当たり前です。
 しかし、価格と料理がそのハンディを補って
 余りあるくらい魅力的なのです。
 ランチのメニュではないかと一瞬思わせるディナー価格は2000円。前菜とメインの2品で構成されたプリフィクスタイプです。
 確かに内容は、鴨のコンフィ、鶏白レバー、エスカルゴ、
 仔羊とクスクス、牛ハラミとフライドポテトといった
 いわゆる「ビストロ料理」です。
 高価格店の豪華な内装と高級食材にのみ慣れた人には
 若干違和感を覚えることでしょう。
 しかし、蕎麦屋のように1枚だけでは空腹を満たせず、
 何枚も頼まなければならないようなシステムではありません。
 2000円ぽっきりで量的にも充分満足できるものです。
 価格が価格ですから、高価でない食材でも大量には使えないのでしょう。
 仔羊の場合食材は少なくせざるを得ないのですが、
 変わりに添え物のクスクスを多めにし、
 スープ仕立てのラタトゥーユを掛けることによって
 満腹にする仕掛けを施しています。
 前菜を含めて、野菜を多めに添えているのは
 ヘルシー志向の人にはありがたい。
 ワインも小売価格の1.5倍程度しか掛けていないので大変安い。(店でのワインの値付けに関しては、明日書きます)
 もともと高級ワインが合う店構えや料理内容ではありませんから、
 4000円前後のワインで充分というか、
 それより高額な5000円以上のワインはありません。
 予算は2人で1万円というところでしょう。
 居酒屋的な雰囲気のフレンチ風食堂といった位置づけです。ここで中価格店や高価格店での食材、
 サービスを期待しないでくださいね。
 CPとは支払う価格を分母にして
 料理やサービスといった要素を分子になぞらえて
 考えるべきと思います。
 「イゾラ」(白金)のピザが1枚1900円するんですよ。
 生地とトマトソースとチーズと葉っぱ数枚のマルゲリータで。
 その手間、食材費を考えたら、どちらがお得でCPがよいか、
 一目瞭然ですね。
 自宅の近くに1軒欲しい店でありますが、近距離だからと帰りにタクシーを利用すると、
 あっとう間に料理代相当分が吹っ飛びます。
 コンセプトを合わせるならば、地下鉄か徒歩をお勧めします。 |