しかし、こうした「転職のすすめ」はいまの常識とは相容れないものである。いったん、そこから追ん出ると、二度と再び元へ戻れないばかりでなく、別の一流企業も拾ってくれることはまずないから、就職の列を離れることは正規軍からゲリラに移るようなものである。それを転落と受けとる人には到底、受け入れられない選択である。ただ幸か不幸か、いまはゲリラになっても飯が食えなくなる心配はないし、成長経済のはじまった頃と違って、中小企業の給与水準が大企業のそれより低いということもない。
だから、出世コースからはずれるといっても、清水の舞台からとびおりるような思いをさせられるほどのことではない。いざとなれば中小企業にもぐり込んでも、何とか飯を食っていける。また最近の先端産業の動向を見ていると、大企業よりはむしろ中小企業に技術的にすぐれたものが輩出しているし、販売業やサービス業を見ても、小粒でも個性のある企業が優位に立ちはじめている。マスプロ、マスセールの商品が以前ほど消費者に訴えなくなって、産業界に大きな変革がきているからであろう。
こういう時代には、人に指図されて仕事をしている人よりも、好きな仕事に夢中になっている人の出る幕が多くなる。何が何でも自分の好きな仕事を見つけて、いくら時間があっても足りないと感ずるようになるまで、ゲリラを続けるくらいの勇気があってしかるべきではないか。
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