第19回
日本で事業に成功している「新華僑」は
資産運用には疎い?(2)
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
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<前回よりつづき>
その後、セミナー参加者から連絡があり、
「インド株投資を紹介され非常に興味を持ち、
色々研究して、いい投資方法が見つかりました」との事で、
「日本でHSBCのインド株ファンドを買うのと、
オフショアで同じファンドを買ったときのコストの比較をしてみた」
と、インド株に投資している私も非常に興味ある話でしたので、
ご紹介します。
HSBCファンド購入手数料の差(日本とオフショア)
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日本 |
オフショア |
差 |
10年保有 |
ファンド購入手数料 |
3.15% |
4% |
-0.85% |
-0.85% |
年間手数料 |
2.31% |
1.50% |
0.81% |
8.10% |
源泉課税 |
20% |
なし |
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HSBCインド株ファンドは、
過去5年間平均24%の利回りを上げています。
日本では、源泉課税が配当にたいして20%かかります。
ファンドの今後10年の利回りの平均が10%だとすると、
源泉税の有無で単純に年間2%、
10年で20%受け取れる金額が変わってきます。
(複利で計算すると、差は43.5%になります)
とすると、10年間の手数料・源泉税の合計で、
19.6%オフショアファンドが有利となります。
<計算式>
-0.85 + 8.1 + 20 = 19.6% ―――― 単利で計算
(-0.85 + 8.1 + 43.5 = 50.75%)―― 複利で計算
1,000万円投資すると、196万円の違いです(複利だと507万円)。
このファンドは、マザーファンド方式であり、
日本とオフショアで購入するファンドの中身は
全く同じなのにも係らず、手取りがこれだけ違ってくるのです。
彼は最終的に、香港の友人の経営する
投資顧問会社経由ファンドに投資したとのことですが、
「1円も無駄にしない華僑ビジネスマン精神」と
こうした「華僑ネットワーク」があってこその分析だなと
感心したものです。
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