第13回
一度築いた財産は絶対に失わない大原則(2)
〜プライベートバンク〜
老 馬 識 途
老いた馬は独自の知恵・方法を知る
<前回よりつづき>
シンガポールは、
国家戦略としてもアジアの金融センターを目指しており、
金融当局がその戦略を実現する為に、
重視していることの一つが、顧客情報の秘密保持です。
シンガポール政府は、外国の銀行の支店に
その国の当局が検査に来ることは認めていません。
それは、シンガポールの金融当局が、
厳格に検査をしているという自負であり、
顧客情報の秘密管理の為なのです。
日本の銀行は、個人情報は第三者に対しては秘密にしますが、
関係当局(金融庁、警察、税務当局等)には、
要求があれば簡単に情報を開示してしまいます。
こうした秘密保持の運用方針が、
アジア地域の華僑の金持ちに絶対の信用を得ているのです。
皆さんにも、海外で大金を秘匿理に預金されるときは、
欧米銀行のシンガポール支店を
選択肢の一つに入れることをお勧めします。
華僑の富裕層達は、欧米銀行とは言え、
その居住国に支店・事務所がある銀行には
隠したい資金がある場合は、絶対に預金しません。
なぜなら、居住国の金融当局、税務当局は
居住国にある外国銀行の支店・事務所に対しても
捜査権を持っており、
情報が当局に漏洩するリスクがあるからです。
従って、大金持ちに絶対的な信頼をもっているのは、
実はシンガポールに会社・支店はあるが、
居住国には支店も事務所もない銀行なのです。
日本人はえてして、
規模が大きいとか、ネットワークがあるとか、
知名度で取引銀行を選ぼうとする傾向がありますが、
秘密保持の観点からの銀行選択も忘れてはなりません。
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