第12回
一度築いた財産は絶対に失わない大原則(1)
〜プライベートバンク〜
老 馬 識 途
老いた馬は独自の知恵・方法を知る
日本ではオーナー社長は、経営する会社が銀行借入をする際に、
「個人保証」を差し入れるのが慣行になっています
(銀行側の条件でもありますが)。
そうすると、不幸にして会社が倒産した場合は、
会社の財産だけでなく
個人財産も全て失ってしまう事になってしまいます。
バブルのときに全財産を失った日本人が続出したり、
大会社のオーナーでも会社が倒産すると、
無一文になる資産家が続出するのを見るにつけ、
日本人が如何に
こうした資産運用・防衛の戦略に無防備であることが、わかります。
華僑社会では、こうした不測の事態が起きても、
債権者が絶対に侵す事のできない財産を
海外に「信託」という制度を使って秘匿理に保全しておくことが、
常識になっています。
従って、資産家の華僑は、
「一度金持ちになったら、永遠に金持ちで、
全財産を無くすようなことは絶対に起きない」のです。
これが、「築いた財産を守る」という大原則です。
また、居住国の税率が高い場合は、
厳しい税金を逃れる為に、
プライベートバンクのコンサルタント・信託を使った
財産保全方法(財産保有・相続方法)など
多様な方法も駆使して
タックスコントロールを行っているのです。
そうした華僑の大金持ちのファミリーマネーを預かっているのは、
どこの銀行なのでしょうか?
友人の富裕層の華僑の大半は、
欧米の銀行のプライベートバンキング部門と必ず親密な取引があり、
海外資産のうちの流動資産のほとんどを、そうした銀行の
シンガポール支店で運用しているケースがほとんどです。
みなさんは、おやっ? と思われるかもしれませんね、
当然スイスのプライベートバンクだと
期待していたのではないですか?
確かにスイスの銀行と付き合っているケースも多いのですが、
其の場合でも実際に口座を開いて預金・運用しているのは
シンガポール支店です。
<つづく>
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