人生を楽しみ、豊かにすごすために

第8回
「日本人が買いに入ったら売り時」(2)

<前回よりつづき>
バブルの時は、
世間ではプロと言われていた金融機関のファンドマネージャー、
大企業の運用担当者が
「相場はいつまでも右肩上がり」
という虚構の神話を信じて投資を続けました。
実は彼らに明確な相場観など無く、
ただ証券会社のセールストークに乗り、雰囲気に飲み込まれ、
周りの人間が儲けているのを見て、
あせって乗り遅れるなと闇雲に投資していたに過ぎません。
個人投資家も相場が毎日上がり、
周りの人が株だ・不動産だと大儲けしているのを見て、
何故か自分だけ損しているのではないかと焦って、
誰も彼もがにわか投資家になってしまったのです。

バブルの前後に日本は
「高度成長国家」から「安定成長国家」の経済段階に入り
経済の大きなパラダイムの変化が起きていたのですが、
日本ではほとんど誰も気が付かず投資を続けていましたが、
「経済が成長しきると、不動産価格は右肩あがりの相場は終わり、
景気循環に併せて不動産価格が動く相場に変化する」
という
不動産価格決定理論の大原則の下に投資をしている華僑投資家は、
バブルのピークよりはるか以前に売り抜けて
巨利をつかんでいたのです。
そして、バブル崩壊後、
不動産価格が底値をつけた1990年代後半に、
華僑は日本の不動産に再び投資を始めました。
私の顧客の中には、1,000億円近く不動産を買った華僑もいました。
21世紀に入り、日本で不動産投資が再び活発となり、
「不動産証券化」・「個人の不動産投資ブーム」
などと言われていますが、
華僑はすでに日本の不動産を売却済みか売却を始めています。
マーケットが活況を呈している今は、
投資家も多く、金融機関も積極的に融資を提供するので、
不動産は流動性が高く、
一番売りやすいタイミングなのです。

「歴史は繰り返す」と言いますが、
誰も彼もが投資をするブームの時は、華僑から言わせれば、
すでに「投資のタイミング」ではなく
「売りのタイミング」なのです。


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2006年12月6日(水)

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