中国株投資のプロによる長期見通し、IPO情報-ドラゴンの眼で見よ-杉 新悟

上海、深セン市場のオープン当初から
ずっと中国株にかかわってきた人の物の見方です

第285回
いよいよ・・・

いよいよ来週、中国最大の銀行
「工商銀行」が上場します。
日本でも注目されており、
新聞などにも載っていますので、
説明する必要もないかもしれませんが、
おさらいをしておきます。

同行は中国の銀行の総資産約17%ほどを有する
中国最大の銀行です。
四大銀行の中では設立が一番遅かった銀行ですが、
母体が人民銀行であったこともあり、
総資産、預金残高などは最大になっています。

今回のIPOは初めて
上海A株と香港H株の同時上場をします。
調達金額は最大で218億米ドル、
約2兆6000億円と
NTTドコモを抜いて世界最大の新規上場となります。

仮条件は2.56香港ドルから3.07香港ドル、
予想PERは16〜19倍、
不良債権比率は4.1%です。
幹事会社はメリルリンチ証券、
中国国際金融有限公司などです。

日本では野村證券と大和證券が幹事を行い、
ブックビルディングの申し込みを受け付けています。
受付期間は今月の19日(木)まで、
上場予定日は27日です。

応募倍率は現在、機関投資家向けが12倍、
香港の一般投資家向けが
最終的に60倍になるのではないかと言われています。

香港のブックビルディングは、
申し込み金額を全額預ける必要があるので、
それに伴い換金売りが大きく出るのでは、
と懸念されていましたが、
今のところは
大きな相場の下落要因にはなっていないようです。

今回の工商銀行上場で中国の金融改革が一段落します。
まだまだ不良債権問題や効率化、
コーポレートガバナンスなど、
解決しなければならない問題は山ほどありますが、
改革の余地が大いにあるということは
大化けする可能性もあるということです。

それでは前回の答えは、
武田信玄の「風林火山」で有名な一説です。

行動するときは風のよう速く、
林のように周囲に溶け込み、
火が燃えるような勢いで動き、
動かない時は山のように動かない。

あらゆる場面での理想的な行動だと思います。
実行するには非常に難しいことですが、
常に心がけて行動したいと思っています。

では今回は、
荘子:
螳螂の臂を怒らして
以って車軼に当たるがごとし

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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