第32回
人民財産保険(H株 2328)
今回は損害保険業界の雄
「人民財産保険(H株 2328)」を
ご紹介したいと思います。
同社をご存知の方も多いと思いますが、
損害保険業界最大手で、
国内シェア約63%です。
自動車保険、火災保険、運送保険が主力ですが、
昨年の規制緩和のため、
損害保険、医療保険分野にも進出をしています。
主力商品の自動車保険、
火災保険は法人向けの割合が高いのですが、
現在伸びている分譲住宅の取得や
自家用車の普及により、
個人向けが更に伸びることが予想されます。
また、昨年参入が認められた傷害保険などは、
資本提携もしているAIGを通じて
商品ラインを大幅に増やし、収益を伸ばしています。
2004年中間期の業績は、
売上高21.4%の増収、
純利益27.1%の減益でした。
増収減益の要因は、
保険料収入は順調でしたが、
今年の上期の保険料支払いが
災害などのため増加したことや
支払準備金の積み増しおよび、
A株市場での株式投信の評価損などです。
今後の動向ですが、
2004年上半期のような
巨額の一時的欠損金を出す可能性は低く、
自動車保険料が引き上げられたことも
同社の収入増になると思われます。
【外資系損保の市場参入】
損害保険業界で気になることといえば、
外資系の参入です。
既に現地法人の100%出資が可能であり、
販売可能商品に制限はありませんが
2004年12月に、
営業地域の撤廃が予定されています。
外資系に対抗できるのか、
というのが一番気になることだと思いますが、
私は十分対抗できると思います。
確かに、商品や財務体質などでは
見劣りする点もありますが、
外資系には無い国内最大級の営業網があります。
現在の損害保険の主な顧客は法人ですが、
この間に入ることはなかなか難しいことですし、
今後の伸びが期待できる個人においても、
全国に営業網を持っている同社は
有利な立場であるといえるでしょう。
また、外資系の本格的な参入により
保険の認知度が高まることも、
同社にとってはプラスになると思います。
【保険業界】
先日、金利の引き上げが行われましたが、
これにより
保険会社の運用益の改善が見込まれるため、
保険会社の株が買われました。
また、
「保険機関投資家の
株式投資管理における暫定規則」も
発布されましたが、
これが施行されますと、
保険会社のA株投資が可能となり、
証券市場の活性化、
保険会社の運用益の拡大および、
分散投資によるリスクヘッジが
できるようになります。
今後も規制緩和が行われ
外資との競争が激化していくと思いますが、
中国ではまだ普及しているとは言えない、
保険分野の成長性と
国内最大級の営業網および、
資産規模を生かして、
成長していくと思います。
先週(11/19)の終値は
2.950香港ドル、
PERは18.15倍でした。 |