第16回
「ワーサンガス」の記事
香港GEM市場
(成長企業株式市場)に上場している
「華サン燃気」(ワーサンガス 8035)は
今年4月から既に半年以上も売買停止になっています。
同社の増資不許可から疑惑を発し、
子会社の粉飾決算や、
経営陣の刑事事件など
様々な憶測が流れました。
今年に入って同社が規定の決算発表を行わず、
さらに発表再延長期日にも決算発表を行わなかった為、
香港証券取引所が同社株の売買取引停止に
踏み切りました。
その後も様々な疑惑は明らかにされず、
取引再開の目処も、香港証券取引所の
アナウンスメントがない限りは
同社の今後については全くわからない状態でした。
「証券新報」10月15日付に
次の様な記事が掲載されていましたので、
ご紹介します。
「国家外貨管理局(SAFE)は12日、
ワーサンガスの外為管理条例違反の摘発について発表した。
ワーサンガスの100%子会社および孫会社は
利益の水増しを通じて違法に外貨を取得。
これに基づき、SAFEはワーサン中国
(ワーサンガスの傘下)に対し、
2,874万元の罰金等を科した。
処分を受けたワーサン中国は、
積極的に内部管理体制を改善し、
経営陣や財務責任者の交代、
リストラなどを実施し、
企業の財務状況が正確に把握され、
遵法意識が向上。同社の経営は
正常になりつつあるという。
また、ワーサン中国とその子会社が
人民元ベースでの架空利益で香港ドルを取得し、
総額3,641万香港ドルを送金したほか、
人民元ベースの架空利益を通じて
総額9,243万元の再投資を行ったことが
明らかになりました。」
(記事・文章概略、省略)
ワーサンガスはガスパイプラインの建設やLPG、
都市ガスの小売・供給を手がけており、
2000年3月に香港GEM市場に上場しました。
同社は流動性の低いGEM市場の中にあって
比較的商いもあり、人気銘柄の1つとなっていました。
まだ、同社の株式取引再開については、
香港証券取引所の正式なアナウンスメントが
なされない限りわかりませんが、
上記のような情報などで
その経緯が明らかになれば、
そろそろ再開の可能性も出てくると思われます。 |