| 第3回「中国株は国策(政策)で乱高下する」
 中国の株式市場の動きに一番大きなインパクトを与えるのは、何と言っても中国の国策(政策)です。
 13日に開かれた国務院常務会議で、温家宝首相は「改革を通じて経済運営上の体制-メカニズムの問題を解決し、
 マクロ調整の効果を確実なものにしなければならない」と、
 下記のような政策を示しました。
 「当面取り組むべき重点政策」として、主な内容は8項目です。
 (1)土地開発と銀行融資の両面から固定資産投資の抑制を継続する
 (2)土地の管理制度、管理法規を早急に整備し、管理責任の明確化を図る
 (3)農業生産を強化する (4)融資額を合理的に規制するとともに、融資の管理メカニズムを整備する
 (5)投資家の利益を守りながら株式市場の健全な発展を促す (6)市場における供給や物価の対策を着実に実施し、穀物・食品価格の合理的な水準での基本的安定を維持する
 (7)金融システムや国有企業などの改革を推し進める (8)住民の生活に直結する雇用問題などの解決に尽力する 「当面取り組むべき重点政策」と銘打っているのは、金融引締め政策を断行している現在、
 金融コントロールを通じて
 マクロ経済のソフトランディング(軟着陸)という目標を
 何が何でも達成したいという決意の表れだと思います。
 詳細は割愛させていただきますが、経済活動における不安定・不健全な要因の排除も
 同時に大きな目的ではないかと
 判断されます。
 表には現れない不正取引。
 民官を問わず賄賂や地位を利用した
 利害関係・腐敗に対して中央政府は
 徹底的な取締りを実行しています。
 (不動産取引の不正や素材の買占め等々)
 上記項目の(1)および(2)は、過熱化沈静の為の不動産市場の安定政策です。
 (3)および(6)(7)は、
 今回のCPI (消費者物価指数)の数値が
 3ヶ月連続で5%台だったことを分析しての
 農業政策の改革推進に関してです。
 (8)は雇用促進、失業問題に関してです。
 注目すべきは(4)および(5)、そして農村税制の改革事業と併せて(7)は、
 国有企業改革、金融改革に及んでいることです。
 広範な投資家の利益を適切に保護し、資本市場の着実かつ健全な発展を強調しています。
 銀行・証券・保険システムの改革を目指しています。
 中でも株式市場の低迷を意識した(5)は注目されます。
 これを受けてウワサとして否定されましたが、「中国証券監督管理委員会」は、
 「類別表決制」の導入を検討している
 という情報も流れました。
 株式相場の長期低迷の打開策として「類別表決制」の導入などが
 可能性としてはありえる問題となった次第でしょう。
 現在は中国の上場企業のほとんどが国有企業のため
 50%以上の非流通株(国家株・法人株)を持つ親会社が
 実質的議決権を握っています。
 ここで、流通株と非流通株の株主に対して
 それぞれ異なる議決権を与えようとするのが
 「類別表決制」というものです。
 話が長くなりましたが、要は「当局が株式市場活性化策にいよいよ乗り出すのではないか」
 という期待が持てるということです。
 ちなみに9月15日の上海A株およびB株は、それぞれ上昇率が
 前日比 +4.2%、+5.5%と大きく上昇しています。
 チャンスマンは本当に前髪だけかも知れません。次回は、私がいま注目している銘柄をご紹介します。
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