| 第176回儲かる骨董−実行編
 9、ニュービジネスのすすめ、骨董美術コンサルティング
 
           
            |  |   
            | 2世紀高麗青磁白黒象嵌瓶 |  古美術品を売買することはきわめて難しい。
 株や不動産のような専門的なアドバイザーもいない。
 購入、売却などに際しても日本には、
 海外のような大規模なオークション会社がない。
 小規模で閉鎖的な『市』があるだけだ。
 それらは業者だけを対象にして
 一般の人の参加は殆ど認めていない。
 しかし、近年カタログ・オークションや
 インターネット・オークションの成長が著しいことから、
 骨董を含む新しい形態の美術市場が生まれるだろう。
 さて、国内の美術品市場はこの15年ほど極めて低調であった。しかし、重い足取りではあるが少しずつ改善されつつある。
 2004年度の国内美術品オークション主要8社の取扱高は
 149億円と言われている(「月間美術」による)。
 それは2003年度と比べると、実に45%も伸びている。
 さらに各地で催されている
 大小さまざまな美術品市場の売買高も増えていると聞く。
 この項では、投資としての骨董を考えるということなので、いま少し実務的な面で説明を付け加える。
 これだけ大きなマーケットが生まれつつあるのに、
 前記したように美術コンサルタント(アドバイザー)がいない
 と言うのは不合理だ。
 このあたりを担っているのが骨董屋の一つの役目だ。
 しかし骨董屋や美術品取り扱い業者は
 投資面でのアドバイスを殆どしていない。
 またコレクターもそのような視線で骨董を見ていない。
 美や道具、あるいは心の糧という点に重きを置き、
 投資的な視線を避けている。
 反面、外国の骨董収集家は投資という側面を常に心がけているから、
 売買に対しては非常にクールな面がある。
 骨董市場にも近いうち古美術アドバイザーが
 必要不可欠になるだろう。
 この職業はインテリジェンスがあり、
 若者があこがれる職業の一つになるだろう。
 豊かな先進国ほど美術市場は大きくなる。
 これからは競売物件などにも美術品がかなり絡んでくるから、
 市場は拡大していくことだろう。
 「この作品を買っておけば、10〜20年後に資産としても有利ですよ。」
 という骨董や美術の傾向を見出すプロが必要なのだ。
 そうすれば市場は活気付き、投資としても方向が決まってくる。
                  (この項続く・・・・・) |