「骨董ハンター南方見聞録」の島津法樹さんの
道楽と趣味をかねた骨董蒐集の手のうち

第134回
<とぴっく10>
びっくり世界文化遺産の経済効果 II―インドの日当は2ドル
姫路城、金閣寺、タージ・マハール、東京ディズニーランド

タージ・マハール

  敷地面積 年間入場者数 年間売上高
タージ・マハール

約5.3万坪

720万人 72億円
(ガイドの話を信じるならば・・・)

海外の文化遺産を見よう。
インドのアグラ、タージ・マハールは僕が見たところ、
敷地は金閣寺よりちょっと大きいくらいのものだ。
白い大理石を使った珍しい建物ではあるが
規模的には結構小さいものだ。
たとえばカンボジアのアンコールワット、
インドネシアのボロブドール、パガンの寺院などと比べても
非常に小さい。
しかし何かひきつけられるものがあって、
インドへ行くと皆タージ・マハール詣でをやってしまう。
なぜなんだろう。
結構不便なところにあるのに。

17世紀ムガール帝国のシャー・ジャー・ハンが
国の財力を傾け、妃のために建造したお墓なのだ。
2万人の工人が22年かけて築いたと
インド人のガイドが鼻をピクピクさせながら言った。
しかしその結果、
王様はあまりの浪費家とのレッテルを張られ、
息子に幽閉されてしまったそうだ。
ムガール帝国というと物凄く強大で、
あの大きなインド大陸を支配したと言うのに
姫路城の15分の1くらいの建物を作ってアウトになると言うのは
なんということだろう。

僕は始め入場料を知らされていなかった。
旅行代金にインクルードだったので気にもしなかったが、
入り口の表示を見てひっくり返ってしまった。
なんと一人20ドルもするのだ。
インド人労働者の一日の日当は2ドルほどのものだろう。
そこでガイドに聞いてみた。

「ここの入場者は一日どれくらい?」
「2万人ですよ!」
ガイドは満面に笑みを浮かべ誇らしげに言った。
インド人が20ドルも払っている筈はない。
見渡してみると早朝だというのに
タージ・マハールの参道は
夏の軽井沢の通りくらい混雑していた。
しかも圧倒的に外人観光客が多いように思われた。
しかし一応半々として、
一日2000万円くらいの収入があるのだろう。
ムガール帝国を傾けたタージ・マハールの建設費も
当時は無駄使いと言われたが、
今ではそんなもの5年もあれば取り返せる。
インドの虎の子なのだ。
計算すると年間73億円も入場料だけで稼いでいる。
この先100年も200年ももちそうだからたいしたものだ。


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