| 第39回商品学(中国陶磁編)
 5.海を渡った唐三彩の話−買い場
 唐三彩は焼き物好きであれば、誰もが知っている古陶磁の有名ブランドである。
 しかし、世界に知られたこの焼き物も
 今から7,80年ほど以前は全く無名の作品だった。
 その発見は清朝末期に鉄道工事が行われ、
 洛陽近くの墳墓が発掘されたことによる。
 唐三彩は長安と洛陽の近くに集中していたようで、世界の中心大唐帝国の貴族や高級官僚の明器として
 用いられていたようである。
 唐三彩は当時の東西交易で得た技術やデザインによって
 華やかな異国情緒を満たした作品である。
 それらは初唐から盛唐頃の製作のようで
 貴族や高級官僚の墳墓から出土する作品である為、
 一見多くの作品が作られていたように思われるが
 実際は作品数はかなり少ないようだ。
 こんな背景を考えると唐三彩は非常に貴重な作品と言える。しかしどんな世界にもピンとキリがある。
 唐三彩を選ぶポイントと言うか
 僕はこんな点に重点を置いて買い付けをしている。
 1.形の美しいもの  馬であれば口を開けたり、
 足を上げたりというように力の漲ったもの
 2.釉の明るい透明感のあるものそれに出来れば濫彩(青色)が掛かったもの
 3.貼花文などのついている複雑な造形、特に抜き型の美しいもの 4.施釉面積の多い作品 5.上品な構図のもの 選定すべき要素は沢山あるが、要はしっかりとした良いものを選ぶことで
 長い目で見れば唐三彩はきっと楽しい夢を見せてくれる。
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