第147回
民放テレビはバカの感染源
日本人は昔からイエローモンキーなどと揶揄され、
白色人種などはむりやり、
人類の末席に座らせようとしたものだが、
どうやら、その末席からも転げ落ちそうなけはいがする。
ほんとうのお猿さんになってしまいそうなのだ。
その兆候はすでに顕れている。
たとえば民放のテレビ番組だ。
どのチャンネルに合わせても、
バラエティとかいうおバカな番組が幅を利かせていて、
雛壇みたいなところに、
アホ面したタレントや“芸ノー人”が雁首を並べている。
出てくる面々はどの局も似たり寄ったり。
ねじりドーナツみたいな布切れを首に巻きつけた中年男に、
富山弁丸出しの口のでかいメガネ女、
可愛いけどおつむの中身がマルコメ味噌のアイドル系歌手、
それに若手お笑い系のタレントといった顔ぶれで、
どれもバカの品評会といった趣には変わりがない。
売れっ子のN男だとかS子は、
特に気の利いたコメントを発するわけではない。
錐でもむような論理の展開があるわけでもない。
要するに何にもないのだが、固定ファンはついているようで、
いいかげん飽きられて捨てられるまでは、
稼げるだけ稼ぎまくるぞ、という気迫だけは伝わってくる。
この種のバカ番組がやたら多いということは、
そこそこの視聴率を稼いでいるということで、
それはとりもなおさずお茶の間で、
テレビを前に大口開けてバカ笑いしている低能人間が多い
ということを意味している。
私は笑いも一流のものしか好まないので、
この種のバラエティ番組は基本的には見ないことにしている。
最近つくづく思うのだが、
民放テレビの番組は、
どれをとっても愚劣と低俗のオンパレードで、
大人の鑑賞に堪えられるものがほとんどない。
しかたがないから、NHKをつい見てしまうわけだが、
消去法の果てのNHKである。
別段番組が優れているというわけではない。
私みたいに、追いつめられた果てに、
しかたなくNHKを見ている人は意外と多いのではあるまいか。
NHK受信料の不払いが、何かと問題になっているが、
もしもNHKがなくなって民放だけになったとしたら、
日本人はきっと、
あのバラエティ番組と同じくらい
精神性の低い民族に成り果ててしまうだろう。
それを思うと、暗澹たる気持ちになるのである。
正真正銘の黄色い猿になりたくなかったら、
NHK受信料だけは払ったほうがいい。
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