第250回
なぜ、ガンの"美談"が多いのか・2
「ガンは切れば完治する」
「ガンは最新の化学劇薬で完治する・」・・
と、美談もどきのマスコミ報道が溢れている一方で、
ますます、ガンが猛威を振るっているのは
どうしたことか――、
「早期検査、早期治療のお陰です」
「先生の執刀のお陰です」
「やはり悪い臓器は切ればいいんです」
「先生のお陰で内視鏡治療でダメージが
少なくてすみました」
「ガンは一時の敵でしたよ」
「手術が終わったから、
これからは酒もステーキも食べられます」
といった、有名人の闘病記やインタビューの美談記事を
はたして、読者は鵜呑みにして
読んだり聞いたりしていてよいものなのか――
という話の続きです。
現実には次のようなひどい話もあります。
たとえば、検査でガンと診断され、
腹を切り開いたら
ガンではなかったというケースです。
しかし、この“切られ損”の手術も、
大抵の医師は“美談化”します。
「ガンでなくて良かったですね」と。
患者はどうでしょうか?
“切られ損”の手術に怒るどころか
「ほんとうに先生のお陰です。
有難うございました」と、
トンチンカンな感謝(?)の弁を述べてしまいます・・・。
冷静に眺めたら、
これほど本末転倒な話はありません。
決して、患者は≪壊れた機械≫でも、
≪医師の実験用試験管≫でもありません。
いまこそ≪医師の医術技術の礼賛報道≫に止まるのではなく、
≪患者の長寿延命の真実報道≫が、
より真摯になされるべきではないか?
僕は、患者としてはもちろんですが、
ジャーナリストの端くれとして、
そう痛感しているわけです。
そして、大半の患者が再発転移して、
再三にわたる惨い手術や化学劇薬の末に、
残念にも、亡くなってしまう・・・。
ガン報道が美談ばかりに偏り、
事実報道が軽んじられているのは、
いったいどうしたことなのでしょうか?
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