第243回
漢方生薬と≪地震と買占め≫
中国の食料市場ばかりか、
薬品市場にも大きな異変が起こっている――、
僕が病院から貰った漢方生薬の請求書が70%も
高騰していてびっくりした――、
これから、ガンに限らず西洋医学の治療では治らない
難病が増えていくというのに、これは困った傾向だなァ。
患者が西洋医学の≪薬漬け≫に悩まされるだけでなく、
東洋医学の≪生薬の高騰≫に悩まされるのは、
心配だなァ――という話の続きです。
病院からの請求書には≪中国の物価高騰による≫と
≪但し書≫が入っておりましたが、
たしかに、1年前の四川大地震のあと、
こんなニュースが流れたことを覚えている人もいるでしょう。
「四川大地震の影響で、
日本で製剤・販売する漢方薬が不足、
価格が急騰する恐れがある。
漢方薬の原料となる生薬は
約8割を中国からの輸入に頼っているが、
中国国内では生薬を確保するために
中国企業による生薬の
組織的な買い占めが始まっているため、
日本国内の関係者らが
漢方生薬の確保への懸念を示している」と。
まさか、中国の地震やそれに伴う買占めの動きが、
こんなに早く、身近に迫ってくる――、、
漢方生薬の高騰の影響が現れる――、
とは思っていませんでしたが、
日本国内の製薬業者の
漢方生薬の備蓄も底をついたのでしょう。
さらに、「漢方薬原料の生薬値上がり。
肥満改善用、中国産品薄に」と題して、
先月、6月のNIKKEI NETにも以下のような記事が出ました。
「漢方薬に使う中国産の生薬が軒並み値上がりしている。
特に一般用医薬品(大衆薬)で人気の高い肥満改善用は
対日輸出価格が約2〜3割上昇。
砂漠化対策の一環で中国が自生植物の採取を制限する一方、
メタボリック症候群への意識の高まりから
日本の医薬品メーカーが買い付けを増やし、
品薄感が強まっている」と。
「でも、私は漢方をやらないから関係ありません」・・・と、
平気を決め込んでいる人もいるかも知れませんが、
いわゆる、漢方生薬は、
西洋医学の薬の原材料になっているものも多いので、
そうはいっていられないのです。
≪中国市場の生薬急騰≫は、
一般薬の値段にも影響が大きく響くのです。
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