第13回
天仙液・王振国医師が教える「もう一つの延命力」
6センチの腫瘍が消滅し、ガンを切らずに退院できたといっても、
在宅治療は順風満風だったわけではありません。
放射線が筋肉や背骨を突きぬけて、
背中に被爆帯が三十センチほど染み出したわけです。
いまさら、大学病院に泣きつくわけにもいきません。
いろいろ、思案した末、「奇跡よ、再び」と思い立ち、
中国の複合漢方薬・天仙液の本拠地まで行って、
開発者・王振国医師の診察を受けようと決心しました。
成田―北京―長春と飛行機で一気に飛び、
延々と続く高粱(こうりゃん)畑の大平原を600キロ、
ワゴン車で駆け抜けて5時間!
(昨年、ガン専門相談所=キャンサーフリートピアの
三好立医師が視察に行かれて、そのときの話では、
今では立派な高速道路が出来て車で3時間だそうですが。)
とうとう、緑の丘の上にお城のようにそそり立つ
赤い屋根の天仙液の工場にたどり着いたのです。
「とくにガンの退院後は、
患者さんの持つ自然治癒力、免疫力を高める養生が大切です。
天仙液とは私の長年の研究の結果、
朝鮮人参や冬虫夏草(とうちゅうかそう)など
長白山の自然のままの薬草を30種類以上調合した
中国政府公認の複合漢方薬です。(注・日本では未承認薬)。
また、放射線の後遺症も天仙液のショック療法、
つまり大量服用でよくなりますよ」と、
開口一番、自癒力の大切さを懇々と説明してくれました。
王振国医師の大きな手で触診をしていただいたこと、
長白山山麓の研究所の薬草園でとれる新鮮なカボチャや人参、
とうもろこしを調理した自然食をご馳走になったこと――、
薬食同源=薬草・薬食療法の知恵について
身を持って教えてくれたわけです。
人肌が伝わってくるような温かい歓迎を受けたことが、
とても嬉しかったと・・・、昨日のように思い出されます。
当時は、大学病院で化学薬責めに合い、
検査漬けに追い回されて、メスを振りかざされたとたん
「もう勘弁してください!」
とガン病棟を“脱走”してきた身でありましから、
「へえー、こんな熱心で話し好きで、
心の優しい医師もいるものなのだなあ」
と目からウロコの体験をしたわけです。
ガン闘病記の美談風にいいますと「幻の秘薬を求めて数千里」
というタイトルの物語にもなりそうですが、王医師との出会いも、
もう一つの「ガン延命法の鍵は自癒力にあり」
ということについて、身をもって教えて貰う契機となりました。
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