第147回
「ノエル」は日本のお正月の気分
もともと「ノエル」はキリストの誕生を祝う日ですが、
時代と共にフランスでも宗教色は一般に薄れている気がします。
国民の80%がカトリックを信仰しているといわれていますが、
毎週教会へ行く人はそれほど多くはありません。
といっても「ノエル」は誰にとっても、
いや特に家族にとって大切な一つの集いの時となっています。
ようは日本のお正月のような感じだと、私は思いました。
普段離れている親のところを訪ねて一時を共に過ごす。
そういう習慣があるからです。
そこで主婦の頭を悩ませるのが食事の献立。
みんなで何を食べるか、です。
昔は24日の夜から教会へ行き、
真夜中のミサ(フランス語だとメスmesse)を受け、
帰ってからプレゼントを開けたり食事をしたようです。
今は24日の夜か25日の昼に家族揃って食事をします。
シャルバーグ家では25日の昼食を、
両親の所に集まってみんなでします。
3人の息子たちが顔を揃えるため、始まりは当然シャンペン。
と共にアペリティフには絶対フォアグラが出ます。
パテ風になったもので、
トーストを四つ切にしたようなものにのせて食します。
うーん、これがシャンパンのすっきり感と
なんともいえずマッチするわけです。
それからリヨンに住んでいた頃は生牡蛎が定番でした。
ここブルターニュでは一年を通して何気に食べられるため、
あえて「ノエル」だからというこだわりはなくなりました。
ちなみに生牡蛎の売上げは、
フランスのみにととまらず輸出も含めこの時期がピークになります。
さてメイン料理…
これはそれぞれの家によるようです。
アメリカやイギリスなら七面鳥が定番?
大きいし、オーブン料理だから簡単かもしれませんが、
フランスで人気があるとは思えません。
むしろ地方独特の
有名定番郷土料理が主役なのではないかと思います。
ところで24日の午後からはほとんどが店仕舞いになってしまいます。
この両日にフレッシュな素材を用意したいと思えば、
前日か当日の午前中に買わなければなりません。
誰でもそう考えるのでしょう。
日本だったら暮れのアメ横の混雑振りを思い出しますが、
パリ市内も地方都市も郊外のスーパーマーケットも大混雑。
そういえばまだリヨンに実家があった頃、
一度義母に付き合って23日に
フランス国内でも当時1、2位を争う売り場面積を誇っていた
カルフールに買物に行ったことがあります。
身動きできない混雑と、
レジの長蛇の列に息を呑んだのを思い出します。
今は混雑が苦手なのと値段も上がるので、
もっぱら冷凍素材を生かしたり、
買い置きのきく肉の塊を利用した料理を考えています。
チーズ類だけは24日、
今年は土曜日にあたるので、朝8時過ぎに
ヴァンヌの市場に出かけて買ってこようと思っています。
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